ライター歴45年を迎えたベテラン、オバ記者こと野原広子(66歳)。一昨年、茨城の実家で母親を介護し、最終的には病院で看取った。そんなオバ記者が、介護で感じた「きょうだい」との関係について綴る。
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11歳下の弟は最高の介護パートナーだった
介護とは、“老いた両親の身じまいを子が手伝うこと”と思っていたけれど最近、介護の大変さはそれだけじゃないんだなと思うんだわ。きょうだいがカッチリ平等に親の介護をする、なんてことはあり得ないから、それでもめる、というのはほんの一面でね。もっと救いようがないことがあるんだよね。今回はそんな話をふたつ。
ひとつめはわが家のこと。私は2年前に枕を並べて寝て母親のシモの世話をしたんだけど、今振り返っても大変だったなと思う。もし神様が「あと3日世話をしたら3日、いや10日、お母さんの命を伸ばしてあげます」と言ったら、ふたつ返事で断るもの。そういう意味で私の力で出来ることはやったから後悔はないの。後悔がないというのはありがたいことで、母ちゃんの夢なんかみやしない。それと11歳年下の弟も最高の介護パートナーだったと思うよ。私に介護休暇をくれて母親の食事とシモの世話をしたというと、みんな「そんな男きょうだいはまずいないよ」と驚くもんね。