肌の5月病の改善に役立つ食材
肌の5月病対策には、エネルギー代謝に関わり、肌細胞の生産や回復を助ける働きをもつ「ビタミンB群」を多く含む食材を摂りましょう。
ビタミンB群は、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の8種類の栄養素の総称です。そのなかでも、皮脂の分泌量を調整する作用があるビタミンB2、B6に、肌の5月病でよくみられる吹き出物を予防する効果が期待できます。
ビタミンB群は肉類やたまご、きのこ類、ブロッコリー、バナナ、焼きのりなど、幅広い食材に含まれている栄養素です。5月が旬の食材であれば、新ごぼうや行者にんにく、かつお、たいなどが挙げられます。
ただし、ビタミンB群は互いに助け合いながら作用するため、特定の食材だけでなくさまざまな食材を摂り、すべてのビタミンをバランスよく摂取することが大切です。
また、水に溶けやすい性質をもつため、野菜はサラダや煮汁ごと食べる汁物にしたり、魚はたたきや刺身にしたりして栄養素が流れ出ないように食べるのがよいでしょう。
肌の5月病の予防・改善には漢方薬も役立つ
肌の5月病には、不調の根本改善を目指す漢方薬をのむのも効果的です。肌の不調を改善するには、「水分の循環をよくして肌に潤いを与える」「肌の乾燥で生じるかゆみや炎症を改善する」ことで肌のバリア機能を高める作用があるものや、「血流を促して肌に栄養を届ける」「水分代謝を促す」ことで肌のターンオーバーを正常化する作用が期待できる漢方薬を選びます。
おすすめの漢方薬
・当帰飲子(とうきいんし)
血流をよくして肌に栄養と潤いを与え、肌の乾燥を改善し、バリア機能を高めます。皮膚の乾燥によるかゆみがある人に用いる漢方薬です。
・桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
血流をよくして肌に栄養をいきわたらせるとともに、水分代謝を整えることで、ターンオーバーを促し、肌荒れや引き出物、しみに働きかけます。比較的体力があり、のぼせるのに足が冷える人に向いています。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん
やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。