日本のみならず、あらゆる国・地域で親しまれている猫。だからこそ、猫が登場する“ことわざ”も、世界各地に数多く存在しているそうです。2024年1月には、『世界のねこことわざ』(ハーパーコリンズ・ジャパン)という書籍が出版され、話題となりました。
はるか昔から一緒に暮らす猫だから…ことわざの登場頻度高め!
世界中とはいえ、「ねこことわざ」だけで1冊の本ができるのは、ちょっと驚きですが…“猫と一緒に暮らす”という生活スタイルは、もはや万国共通。しかもその歴史をたどると、古代エジプト(!)まで遡るといいます。それだけ長い間、人間と一緒にいるなら、さまざまなことわざに登場するのも納得ですね。
ちなみに、日本で生まれた「ねこことわざ」で、とくに有名なものと言えそうなのは「猫の手も借りたい」。忙しすぎてもっと人手がほしいとき、思わず口に出してしまった人もいるのではないでしょうか? また「猫は長者の生まれ変わり」も、日本に伝わる「ねこことわざ」。いつものんびりと暮らす猫の姿を、長者(お金持ち)に例えた言葉なのだそうです。「猫の手も借りたい」ほど聴きなじみはありませんが、使いやすいことわざですよね。世界各地の「ねこことわざ」を見ても、日常生活に密着した言葉が多く、はるか昔から人間と猫がどれだけ一緒にいたかよくわかります。
「猫が4匹いる」って、どんな意味?
『世界のねこことわざ』は、ことわざと一緒に愛らしい猫の写真を眺めることができます。
4匹の猫が横並びになった写真には、「猫が4匹いる」というイタリアのことわざが添えられています。実は、このことわざで「人が少ない」という意味になるのだとか。日本では人が少ないことを「猫の子一匹いない」と言いますよね。
キャリーケースの傍らに立ち、今にもリゾート地に旅立とうとしている猫の写真には、ドイツのことわざ「猫がフランスへ旅しても猫のまま」が。「人の性格や本質は、場所が変わってもあまり変化しない」という意味だそうです。
スリランカのことわざ「玄関の猫」には、玄関の前でじっとしている猫の写真が載っています。目をつむり、何か思い悩んでいるようにも見えますが…ことわざの意味は「優柔不断な人」。家に入るのか外に出たいのか、はたまた玄関にいたいだけなのかよくわからない状態から生まれた言葉のようです。
角から顔を半分だけ覗かせじっとこちらを見つめる猫の写真には、「猫を嫌う人には気をつけろ」というアイルランドのことわざが添えられています。まさに「猫を嫌う人」を警戒しているような目線で、緊張感たっぷり。ちなみに、言葉の意味は「相手を支配したがる人には注意」。マイペースで意のままにならない猫を嫌う人は、相手を支配したがる人だろうから避けましょう、という意味が込められているそうです。
そのほかにも、「猫を猫と呼ぶ」「ハトのあいだに猫を放りこむ」といった一見「?」なことわざも、解説や可愛いグラビアとともに見られます。「ねこことわざ」で得た知識が、猫好きたちの新常識になる…かも!?