不調改善

《夏に乱れやすい自律神経》更年期、夏バテへの影響も 整えて不調を改善する方法

自律神経を整える効果が期待できる食材

自律神経はストレスによる影響も受けやすいものです。ストレスは副交感神経の働きを低下させて交感神経を優位にするため、心と体は活動モードの状態が続いてしまいなかなか休まりません。そこで、心と体をリラックスさせる働きがあるGABAを多く含む食材を取り入れるのがおすすめです。

GABAは神経細胞同士の情報伝達を行う神経伝達物質の一種です。交感神経の働きを抑えて興奮や緊張などを落ち着かせる作用があり、ストレスの緩和や睡眠の質の改善などに役立ちます。

夏が旬のトマトやメロン、かぼちゃなどは、GABAを多く含む食材です。GABAは発酵によって増えるため、たくあんやキムチ、奈良漬けなどの漬物にも多く含まれています。

豚キムチ

自律神経のバランスを整えるにはGABAを生み出す食材を取り入れて

また、GABAはビタミンB6の働きによって体内で合成される物質です。ビタミンB6は豚肉やにんにくなどに多く含まれています。トマトとにんにくのパスタやかぼちゃのガーリックソテー、豚キムチなど、GABAとビタミンB6を多く含む食材をいっしょに食べて体内のGABAを増やすよう意識しましょう。

自律神経の乱れ改善には漢方薬も役立つ

自律神経の乱れには、気(エネルギー)に働きかける作用があり「血液の流れをよくして自律神経の乱れを改善する」「神経の高ぶりを鎮めてイライラや興奮を落ち着かせる」といった効果が期待できる漢方薬を選びます。

八角、シナモン、唐辛子など

自律神経の乱れ改善に役立つ漢方薬を2つ紹介

おすすめの漢方薬

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

不足した栄養を補い、エネルギーの流れをスムーズにすることで血液の流れをよくし、自律神経のバランスを整えます。のぼせ感があって疲れやすく、イライラしやすい人の更年期の症状によく使われる漢方薬です。

→加味逍遙散について詳しく知る

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

エネルギーの流れを整えて、体の熱を冷ますことで神経の高ぶりを鎮めてメンタルを安定させます。比較的体力がある人の不眠や動悸、イライラなどに使われる漢方薬です。

→柴胡加竜骨牡蛎湯について詳しく知る

漢方薬を始める際の注意点

漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。

ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、効果が実感できないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用するときには漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

◆教えてくれたのは:薬剤師・山形ゆかりさん

白衣の女性

薬剤師の山形ゆかりさん

やまがた・ゆかり。薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付き、薬膳アドバイザーとしても活動する。牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューを開発。そのほか、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp)で薬剤師を務めている。

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