ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)の元に生放送の討論番組のオファーが舞い込んできた。テレビ出演の経験はあるが、生の討論番組は初めて。果たしてどうなるか……? 舞台裏をオバ記者がリポートする。
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感心したディレクターの対応
先日、AbemaTV アベプラ『貯金ゼロ主義者と考える!お金はどんどん使う主義?』にゲスト出演しました。
「生放送の討論番組? 初めてなんでしょ? 怖くないの?」と人から言われたけど、そりゃ怖いわよ。今回はその怖さが「ああ、面白かった」に変わるまでをレポートするね。
テレビ制作側はたえず私のようなど素人を番組に登場させているから、それなりの手順があるんだわね。まず感心したのは電話で話したディレクターのOさんよ。私が書いた記事をよく読んでいてくれていたの。そして「残高はあっても貯金はしない。てか、67歳の今までしたことがない」という私のライフスタイル(?)をとことん掘り下げて聞いてくれたんだわ。気がつけばなんと1時間も話していた。それだけOさんが聞き出し上手ということよね。
だから番組の冒頭で流すインタビューを収録するというのでテレビ朝日の会議室でお会いしたOさんは、とても初対面とは思えない。20歳以上若い人だけど、「先日はどーも」「こちらこそどーも」って、すでに旧知の仲よ。
だから収録がいつ始まったのか、わからなかったくらいで、Oさんに聞かれるまま話す話す。あはは、ひゃははとカメラマンさんも交えて笑っているうちに終わっちゃった。
楽屋で待ち続ける時間が長く感じられ…
で、その翌日の夜10時が本番。この日もOさんが楽屋で番組の段取りを説明してくれて、「今日は時間が押していて、予定より遅れて始まりますけど、時間になったら迎えに来ますね」と言って出て行ったの。そのまま、待つこと30分。10時開始予定だったのに、えっ? まだ? ひとりの部屋で時計とにらめっこしている時間のなんと長いこと! なんとなく台本に目を通すけれど、何にも頭に入ってこない。ああ、いい! もう、早く終わらせて帰りたいっ!と、全身が発酵しきったところで、はい、本番。
スタジオに入って、「では、こちらに」と案内されたのが4回転ジャンプの元フィギュアスケーター安藤美姫さんの隣の席! いやもおうもない。待ったなし、一本勝負、って別に誰かと戦うわけではないけれど、「貯金ありません」と言う67歳はそんなに珍しい? みんな老後資金を何千万円も持ってるの?
「蹴鞠みたい」でメチャ楽しかった
そんなわけで1時間近く出演した私の実感は「蹴鞠(けまり)みたい」でした。初対面の出演者とクセ球を蹴り回す感じで、私はきた球を必死で打ち返したかと思えば、隣りに座ったファイト満々のお兄さんにそっと球を渡したり。早い話、メチャ楽しかったの。
でも、同時にこの瞬間芸の連続競技を生業にしている人はどれだけ神経をすり減らしているのかしらとも思ったんだよね。バラエティー番組のひな壇に座っている人がみんな”才能のかたまり”に見えてきたわ。
もし次、お声がかかったら? もちろん出ます!
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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