41年ぶりのTHE ALFEE、ついに初出場のB’zも…「よし、今年も観るか紅白を」歌謡ライターが厳選する「第75回NHK紅白歌合戦」の見どころ・聴きどころ
2025年、良い年になりますように
2024年は、能登半島を襲った地震や豪雨災害をはじめ、けっして良い年とはいえない1年だった。特別枠の玉置浩二さんは、いろんな思いがあって、『悲しみにさよなら』を選曲したのではないだろうか。坂本冬美さんは『能登はいらんかいね』、石川さゆりさんも『能登半島』と、能登の名曲を歌う。きっと、歌だからこそ伝わる願いがある。
そして、この原稿を書いているまさに今、B’zがついに紅白初出場というニュースが流れてきた。来年2025年は、阪神大震災から30年。朝の連続テレビ小説『おむすび』の主題歌『イルミネーション』に、祈りを感じた人も多いだろう。
ベテランたちの歌声に「やっぱり長く愛されるには理由がある」と膝を打つだけではない。最近では、紅白で初めて観る、配信で人気の歌手も増えた。その瑞々しいパフォーマンスに「へえ、いい曲、いい声。チェックチェック」とメモを取るのも、すっかり習慣となっている。これはもう、ジャンルも年齢も混ざりに混ざったコンテンツだからこその醍醐味である。
よし、今年も観るか紅白を——。
過ぎゆく2024年にさよならをいい、2025年、良い年になりますように、と、願いを込めながら楽しみたい。
歌は世につれ、世は歌につれ。
巡り巡る時代を感じ、酔いましょう、歌声に。弾みましょう、歌声に!
◆ライター・田中稲
1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。近著『なぜ、沢田研二は許されるのか』(実業之日本社刊)が好評発売中。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka
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