![ももあげする女性](https://j7p.jp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
歩行能力は加齢に伴い、じわりじわりと低下する。「最近疲れやすい」「信号が変わる前に道を渡り切れない」「歩幅が狭くなった」「すり足で歩いている」。それ、”もも上げ”すれば解消するかもしれません。
元気に歩くためには大腰筋が重要
最近、何もないところでよくつまずくことはないだろうか? 整形外科専門医でフィットネストレーナーの吉原潔さんは、「40~50代になると何もない場所でつまずくようになったり、すり足で歩いていると自覚する人が増加します」と言う。
「これは、歩くときに足が上がっていない証拠です。ふだん運動をしていない人は加齢とともに徐々に歩行能力が低下していきます。すると歩幅が狭くなり、歩く速度も遅くなって足腰の衰えが進行する。
うちの患者さんにも、そんなかたが多いのですが、急にハードな筋トレはできないし、しても続かない。それならどうすれば筋肉を鍛えられるのかと考えて、思いついたのが『もも上げ』です」(吉原さん・以下同)
元気に歩くためには、背骨と大腿骨、つまり上半身と下半身をつなぐ大腰筋が重要となる。
![大腰筋](https://j7p.jp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「大腰筋は太ももを引き上げる動作に使われる筋肉で、歩行や階段の上り下りには不可欠です。加齢とともに衰えますが、『まだ歩けるから』と放っておく人が多いんです。また、日常生活では足を上げる動作が少ないため、大腰筋を鍛えるのは難しい。
しかし、壁に寄りかかりながらもも上げをすることで、高齢者でもやりやすく、安全に鍛えられます。80代でも90代でも、何才になっても鍛えれば筋肉は増やせるので、続けることで歩行速度も速くなり、つまずきも歩幅も改善できます」
つまずくなどの歩行のサインに加え、『体力が落ちた』『疲れやすい』などの体や感覚の変化サインも見逃してはいけない。
「筋力の低下と体力の低下はイコールです。疲れ気味でも、ちゃんと歩けるうちに、もも上げを始めるのがベストです」
杖なしで歩ける未来を手に入れるために、1日30秒のもも上げで筋トレ貯金をさっそく始めよう。
「もも上げ」をやるときの注意点
もも上げを始める前に、下記の「もも上げ前にチェック!」を行い、自分の足がいま、どのくらい上がるかを確認。その後、後半に記載されている説明に沿って実践しよう。
「一見、簡単そうに思えますが、実際に40~50代の患者さんにやってもらったところ、壁に体を沿わせてまっすぐ立つこと自体、なかなか難しいんです。運動していないと加齢とともに背骨が少しずつ曲がってきて、そのまま姿勢が固まってしまうため、もも上げをすることで背筋を伸ばす効果も期待できます」
![ももあげする女性](https://j7p.jp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
猫背など悪い姿勢のままもも上げをやっても、筋肉の収縮が減り、大腰筋を鍛える効果は半減してしまう。
「特に意識してほしいのは頭、両肩、腰。キツイですがここを壁から離さず、壁に密着させたままもも上げをしてください。30秒間で何回上げ下げできるかは意識せず、ももを高く上げることを意識しましょう」
それより、ももを上げたときに1秒ピタリと止め、大腰筋に負荷をかけることが重要だ。
「1日30秒を続けて、物足りないなと感じるようになったら、ももを上げる高さをもう少し高くする。または、30秒を何セットかプラスして行うのもいいですね。
もも上げを続けることで歩行能力のアップはもちろん、正しく行えば姿勢も自然と改善され、より若々しくなると思います」
あなたの大腰筋は大丈夫? もも上げに重要な大腰筋チェック!
あなたはいくつあてはまりますか? 大腰筋チェックの結果発表!結果を確認し、もも上げを始めよう!
・座っている時間が長い
・ 何もないところでよくつまずく
・ 以前に比べて歩くスピードが遅くなった
・ 以前に比べて歩幅が狭くなったと感じる
・ 階段を上るのが億劫に感じる
・運動の習慣がない
・腰痛がある
・気がつくと猫背になっている
・お腹(下腹部)がぽっこりしている
・お尻が垂れてきた
・40才以降、便秘に悩んでいる
・足がむくみやすい
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大腰筋チェックの結果発表!
●5個以上あてはまる
大腰筋がかなり衰えた状態。特に「よくつまずく」「歩くスピードが遅くなった」「歩幅が狭くなった」に該当する人は、すぐにもも上げを始めて、筋力アップ!
●2〜4個あてはまる
大腰筋が衰えつつある状態。いまのうちにもも上げを実践して、大腰筋の衰えをストップしよう。
●0〜1個あてはまる
いまのところ大腰筋の衰えはあまり見られないが油断は禁物。現状維持のためにも、もも上げをやって”筋肉貯金”を増やしておこう。
もも上げ前にチェック!
ももを上げて手のひらをかかとにあて、手の指先が足裏から何cmくらいはみ出るか(もしくは届かないか)を測る。定期的に測り、ももがどのくらい上がるようになったか、変化を確認しよう。
![もも上げ前にチェック](https://j7p.jp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)