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節約アドバイザーが教えるスーパーでの節約術「店内を回る順番は肉魚ではなく野菜から」の理由

買い物かごをもつ女性
節約のプロが実践する、スーパーでの節約術(写真/Photo AC)
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物価高が続くなかでは日々の節約が重要。なかでも頻度の高いスーパーでの買い物は、節約効果が大きくなりやすいポイントの1つだ。スーパーでできる節約は「安い商品を買う」だけではない、と話す節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、スーパーに関連した節約術を詳しく教えてもらった。

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スーパーでの買い物で節約のためにやるべきこと

スーパーで安くてよいものを手に入れ、無駄な出費をしないための3原則を紹介します。

商品が潤沢な午前中に行く

スーパーは値引きシールが貼られる夜に行くという人もいるかもしれませんが、節約的には実は午前中に行くのがおすすめです。午前中であれば広告の品などの在庫もあるうえ、生鮮食品も状態のいいものの中から選ぶことができるためです。

スーパーの棚に手を伸ばす従業員
午前中にスーパーに行けば、状態のいいものを選ぶことができる(写真/Photo AC)
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また、午前中は心身ともに疲れておらず、またお腹が空いていないことが多いため、冷静な判断がしやすく、誘惑に負けづらいというメリットもあります。

回る順番を決め、順番通りに回る

スーパーに来てまずやるべきは、回る順番を決めること。もちろん事前に決めておいてもいいですが、決めていなかった場合は、中を見て回る前に順番を決めましょう。昔は肉や魚などのメインを決めてからそれに合う野菜を選ぶという流れが定番でしたが、今私がおすすめしているのは「野菜を選んでから肉を選ぶ」という順番です。

物価高の今、食卓のメインとなるのは基本的に鶏胸肉、豚小間肉、ひき肉あたりにする人が多く、メインとなるものがある程度わかっているためです。そのため、まずは野菜コーナーを見て、その日安い野菜を買ってから、選んだ野菜に合う肉を選ぶという順番をすすめています。

カートを押す女性
店内をまわる順番は野菜から、が新常識(写真/Photo AC)
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3日分をまとめ買いする

食品はある程度まとめ買いをしたほうが、買い物の回数が減る分、無駄遣いも減らしやすくなります。しかし、1週間分のまとめ買いとなると、ちょうどいい量を見極めて購入する難易度が高いうえ、下ごしらえや作り置きもしなければならないため、実践は難しい人も多いでしょう。

一方で、つど買いの場合は、買い物の回数が増える分、買い過ぎたり嗜好品の誘惑に負けたりしやすいため、「3日分くらいのまとめ買い」が節約的には一番おすすめです。

スーパーでの買い物でやってはいけないこと

無駄な出費になるリスクがあるやりがちな行動について、やってはいけない理由を解説します。

何も考えずに値引き商品や見切り品を買う

値引き商品や見切り品は節約にも有効ですが、ただ安くなっているからという理由で買うのはおすすめしません。生鮮食品の場合は傷みが多く、想定よりも可食部が少なかったり、使い慣れていない商品の場合は買っても持て余してしまったりということが考えられるためです。また、和牛などの元値が高いものであれば、いくら割り引かれていても高いことに変わりはありません。

また、値引きシールが貼られた菓子パンや生洋菓子といった食材以外の商品にも注意が必要です。いくら値引きになっていたとしても、出費には変わりません。本当に必要かどうか、買い物の優先順位も考えながら購入を決めるようにしましょう。

値引き商品や見切り品は、十分に可食部があるかどうかや、使い切れそうかどうか、割り引かれた後の価格が予算内かどうかをきちんと考えてから購入するようにしましょう。

見切り品の肉と納豆巻き
見切り品の衝動買いはNG(写真/Photo AC)
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はしごをしない

目玉商品を買ったり、商品を底値で買ったりするために、スーパーをはしごするのも節約的にはNGです。車で移動するのであれば、その分余計なガソリン代がかかりますし、徒歩や自転車などの場合も余計に時間がかかり、時間的なコストを支払っていることになるためです。また、目当ての商品を買うだけのつもりがついつい別の物まで買ってしまうなど浪費につながりやすいという面もあります。

ただし、牛乳はこのお店、パンはこのお店など買うものが決まっていてそれだけを買って帰るのであれば、その限りではありません。

買い物は、その日買おうと思っている物を買うのに一番適したスーパー1店舗だけで終わらせるのが、無駄遣いをしないコツです。自信がない場合は、ネットスーパーの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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