
「市販品を買うより手作りした方が安くすむ」と考える人は多いが、あらゆる食品が値上がりし続けているいま、一概にそうとも言えなくなっている。手間暇かけて手作りしたのに、高くつくのは避けたいところ。朝食に重宝するパンやヨーグルトは、手作りと市販品だと、どちらがお得なのだろうか。節約アドバイザー・丸山晴美さんと時短節約家・くぅちゃんさんの2人に、市販と手作り、それぞれのメリットを聞いた。
【パン】市販品の方が安いが味は絶品!
「パンを手作りする場合、粉にこだわると高くなります。私は『業務スーパー』の1kg198円の強力粉を愛用。大手製粉メーカーの商品で、これがいまのところの最安かつ、味もいいのでおすすめです。食パン1.5斤を作るのに必要な強力粉は500g弱。
そのほか、ドライイースト、バター、塩などを合わせて、原材料費は200円弱ぐらい。パン専門店で食パンを買うと1斤250~300円ぐらいなので、ほぼ同額。ただしスーパーの特売品は1斤90~150円。買う店によっては市販品の方が安いですが、うちの家族は手作りの味が好きなので満足しています」(丸山さん・以下同)

一方、くぅちゃんさん、ぴーちさんは、かつてはパンを手作りしていたが、いまは買った方が安いので手作りはしていないという。
「ただし、パン以外の小麦粉加工品がどんどん値上がりしているので、それらは買うよりも作った方が安くなる場合もあります。ホームベーカリーではパンだけでなく、ナン、ピザ、ドーナツ、肉まんなどの生地も作れるので、わが家では、それらも手作りしています。週1回程度使えば、本体代含めて3年ぐらいで元はとれると思います」


【ヨーグルト】菌を足せば無限に作れる
ヨーグルトは手作りするという丸山さんやくうちゃんさん。丸山さんは常温でおいておくだけできるカスピ海ヨーグルトを作っているそう。
「ヨーグルトも値上がりしているので、わが家ではカスピ海ヨーグルトを手作りしています。ヨーグルトメーカーも不要で、市販のカスピ海ヨーグルトの種菌と牛乳を混ぜたものにキッチンペーパーをかけて、常温でおいておくだけ。夏場で1~1日半、冬場で2~3日でできます。
食べる分だけ取り分けて、残ったヨーグルトの真ん中あたりの種菌を使って、次のカスピ海ヨーグルトを作れば、無限に作れます。この方法だと、牛乳代と最初のカスピ海ヨーグルト代だけですむので、作れば作るほどお得です」(丸山さん)

一方で、くうちゃんさんは、初期費用はかかるもののヨーグルトメーカーを愛用している。
「本体価格は約5000円でしたが、楽天ポイントを活用して購入しました。牛乳と種菌となるヨーグルトを混ぜておくと、9時間ぐらいで牛乳1パック分のヨーグルトが作れます。最近は、『明治プロビオヨーグルトR–1ドリンクタイプ』を種菌にしています。R–1ドリンクが1本約150円。牛乳1本約200円なので、約350円でヨーグルト1L分ができるのでお得です。
ヨーグルトは、種菌によって味が違うので、酸味が強く感じられるようなら、ヨーグルトの種菌を変えると自分好みの味に出合えるかもしれません。はちみつを入れるのもおすすめです」(くぅちゃんさん)

◆節約アドバイザー・丸山晴美
ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーなどの資格を持つ。人生設計を見据えたお金の管理・運用や節約術について発信。著書に『節約家計ノート2025』(東京新聞)など多数。
◆時短節約家・くぅちゃんさん
6年で1000万円の貯蓄を達成した節約賢人。「時間の節約は家計の節約に」をモットーに、節約のコツを発信中。著書に『くぅちゃんの食費がみるみる減る献立ルール』(扶桑社)など。
取材・文/鳥居優美
※女性セブン2025年3月13日号