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《実は栄養豊富なレタス》玉レタス、サニーレタス、サンチュ…品種によって異なる栄養素や特徴を管理栄養士が解説

サラダ
サラダ以外でもいろんな食べ方で楽しんで!!(写真/PIXTA)
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主流は球体の玉レタスですが、レタスには、ほかにもたくさんの種類があるんです。それぞれの個性とおいしさの違いを知れば、さらにレタスを好きになること間違いナシ。スーパーの店頭でみかける多種多様なレタスを大解剖! 栄養素や魅力を管理栄養士の岸村康代さんに解説してもらいました。

水分量が多く低カロリー!ポリフェノールたっぷり!

近年では、植物工場などでも栽培されているケースが多く、1年を通して安定して食べることができるレタス。約95%は水分で、みずみずしいのが特徴だが、意外にも栄養素が多い野菜。

「レタスには、体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を助けるカリウムが多く含まれています。特にカリウムの多いリーフレタスやサニーレタスは、骨を強くするビタミンKも豊富。レタスの切り口から出る白い液体は、セスキテルペンラクトン類で、抗炎症作用や鎮静作用があるという報告も。生食はもちろん、加熱することでカサが減るので、たっぷり食べられる野菜です」(岸村さん)

「玉レタス」

玉レタス
葉が丸く結球した「玉レタス」
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葉が丸く結球したレタスの代表種。シャキシャキとした食感が最大の特徴で、クセがなくさっぱりとした味わい。レタスの中で一番水分量が多いため、食前に食べることで満腹感を得やすい野菜。生食や炒め物、スープなどに。

「サニーレタス」

サニーレタス
赤紫色を帯びたフリル状の葉を持つ「サニーレタス」
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赤紫色を帯びたフリル状の葉を持つ非結球タイプ。玉レタスと比べ、カリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB群、ビタミンC、β-カロテン、食物繊維などが豊富。レタスの中でもポリフェノール含有量が多いのも特徴。葉質はやわらかく、おもに生食が適している。

まだある!それ以外のレタスたち

・シーザーサラダの定番!「ロメインレタス」

ロメインレタス
「コスレタス」とも呼ばれる「ロメインレタス」
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原産はエーゲ海のコス島のため、「コスレタス」とも呼ばれる。外葉は深い緑色で、ほのかな苦みがある。葉脈によるシャキシャキとした食感が特徴。カリウムや、ビタミンB群、葉酸も多く含まれている。

・花のような形状が愛らしい「サラダ菜」

サラダ菜
やわらかい食感の「サラダ菜」
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同じく結球の玉レタスと比べ、緑色が濃く食感はやわらかい。カリウムを多く含み、サニーレタスよりは少ないもののビタミンA(β-カロテン)も含まれている。味にクセがないため、サラダ以外に炒め物などにも最適。

・やわらかめの結球タイプ「ブーケレタス」

ブーケレタス
和洋中なんでも合わせやすい「ブーケレタス」
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葉がやわらかく、味にクセがないため和洋中さまざまな料理に合わせやすい。葉は手でちぎりやすく、包丁不要で手軽に調理できるのもポイント。葉の形を生かし、サラダやサンドイッチなどに加えると見た目が華やかに。

・非結球だから包みやすい!「サンチュ」

サンチュ
焼き肉でもおなじみの「サンチュ」
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リーフレタスの一種。波打つようにヒラヒラとした葉の形状が特徴。レタス類の中で最もカリウムと、ビタミンA(β-カロテン)が多い。葉に厚みがあるため、焼き肉など熱い料理を巻いて食べるのが定番。

・β-カロテンやカリウム豊富「グリーンリーフレタス」

グリーンリーフレタス
β-カロテン豊富な「グリーンリーフレタス」
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ひらひらとした鮮やかな緑の葉で、料理を華やかにする。サニーレタスに比べてもβ-カロテンの量が多いのが特徴。カリウムも多い。チコリ酸のポリフェノールを含み、抗酸化作用などが期待できる。

・シャキシャキ感が楽しい「フリルレタス」

フリルレタス
ビタミンC豊富な「フリルレタス」
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レタスの中でもビタミンCの含有量が多め。2~4℃で4日ほど保存すると、ビタミンCの量は半分以下に減少する。一方、抗酸化作用のあるポリフェノールなどは増加するという報告も。茎よりも葉の方が抗酸化力が高い。

おいしく食べ切るポイント

【生食の場合は食べる直前に軽く水につける】
シャキッとした食感を生かすことができる。

【しっかりと水けを切る】
水っぽくならずに味がよくしみ込む。

【保存は冷蔵室へ】
貯蔵最適温度は0℃のため野菜室よりも冷蔵室の方がおすすめ。

◆教えてくれたのは:管理栄養士・フードプランナー・野菜ソムリエ上級プロ 岸村康代さん

黒いエプロンをした女性
管理栄養士・フードプランナー・野菜ソムリエ上級プロの岸村康代さん
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「おいしさ」×「健康」を兼ね備えたレシピ提案やダイエット指導を行う。『続食べ 結果が出る食べ方がカンタンに続く方法』(かんき出版)など著書多数。

撮影/玉井幹郎、深澤慎平 取材・文/川越光笑

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