料理・レシピ

《コツは火加減だけ》アレンジしやすい注目の調理法「湯煮」 フライパンひとつであらゆる魚介がラクラクおいしくなるレシピ

鮭のしょうゆバターだれ大葉のっけ
湯煮でふっくらおいしい「鮭のしょうゆバターだれ大葉のっけ」
写真11枚

「調理法がマンネリ」「後片付けが面倒」などの理由で敬遠しがちな魚料理。そんな悩みをすべて払拭するのが「湯煮」。驚くほど簡単なのに魚本来の味が堪能できる、いま、激推しの調理法! 基本のやり方とアレンジメニューを料理研究家のしらいのりこさんに教えてもらった。

身がふっくら柔らかい新感覚の魚料理

「湯煮」とは、北日本で行われている伝統的な魚の調理法。

「グラグラ沸騰させず、シーンとした火加減で煮るのが鉄則。工程はシンプルですが、驚くほど身がふっくら柔らかく仕上がります。どんな魚介にも使える調理法なので、魚料理がグンと身近になりますよ」と、しらいさん。

「旨みを閉じ込め、湯にくさみも出ないので、青菜などを一緒に煮てもおいしいですよ。
加えるお酒をワインに替える、スパイスを加えて風味をプラス、油をまとわせてコクを出すなど、ちょっとした工夫でバリエーションが広がるのもよいところです」

基本の「湯煮」

切り身なら最速5分で火が通る。ポイントは“沸騰させない”だけ。

「アレンジもしやすい、注目の調理法です」(しらいさん・以下同)

【1】魚に塩を振る

少量の塩を振っている
少量の塩を振る
写真11枚

バットなどに薄く塩を振り魚の切り身を置いたら、上からも塩を振る。

「塩味をつけるためではないので、塩は少量でOK」

魚の水気を拭いている
10分ほどおいたら水気を拭く
写真11枚

10分ほどおき、出てきた水気をキッチンペーパーなどで拭き取る。

「魚のくさみが取れ、旨みの流出も防げます。塩鮭や干物など、すでに塩が当ててある魚には不要です」

【2】沸騰しない火加減で煮る

鍋に酒を入れている
湯を沸かして酒を加える
写真11枚

鍋やフライパンに魚がひたるくらいの湯(直径26cmのフライパンなら水4カップが目安)を沸かし、日本酒大さじ2を加える。

「酒の有機酸が魚のくさみを分解」

鍋に魚を入れている
沸騰させるのはNG!
写真11枚

魚を加えたらすぐに火を弱め、沸騰しない火加減で5~7分煮る。

「100℃以上になるとたんぱく質が凝固して身が硬くなり、旨みも流れ出てしまうので、絶対沸騰させないで!」

魚をゆでている
魚をゆでてにごった湯
写真11枚
魚をゆでている
濁った湯が透明になったら煮上がりのサイン
写真11枚

加熱中にアクが出たら除く。

「さばなど脂が多い魚は入れた瞬間、湯が濁ります。再び湯が透明になったら火が通った合図」

【3】取り出して水気をふく

魚の水気を拭いている
静かに取り出し、水気を拭き取る
写真11枚

静かに取り出してキッチンペーパーで水気を拭き取り、好みのたれなどをかける。

「冷めても硬くならないので、お弁当にもおすすめです」

冷蔵庫の調味料をかけるだけでもOK!

とにかく手軽に作れるのが、湯煮のよいところ。

「たれはポン酢やドレッシング、マヨネーズとトマトケチャップを混ぜたオーロラソースなど、冷蔵庫にある調味料をかけるだけでも充分。魚の本来のおいしさが味わえます」

関連キーワード