健康・医療
2025.05.01 11:00
《本当に必要か?》見直すべき“検査”の数々…「脳ドックは下火」「バリウム検査は進行がんでないと発見できない」「世界的に肺がん発見のための胸部X線検査は行われていない」
バリウム検査はかなりの進行がんでないと発見できない
自治体が実施するがん検診にも、いまだに効果が怪しいものがあると室井さんは指摘する。
「代表的なのは、胃がんの『バリウム検査』です。バリウムはかなりの進行がんでなければ発見できません。内視鏡検査を受ければ食道と胃を同時にチェックでき、早期発見が可能です」
胃の内視鏡検査も、必ずしも毎年受ける必要はないと話すのは函館稜北病院総合診療科の舛森悠さんだ。
「胃がんになる最大のリスクはピロリ菌です。20代で除去すれば、罹患率は9割下がるというデータもある。そのためピロリ感染したことがない人は、数年に1回の検査でも大丈夫です。感染したことがある人は、毎年胃カメラ検査を受けた方がいいでしょう」
肺がん検診なら、胸部X線検査よりも低線量CT検査がいいという。
「世界的に肺がんを発見するための胸部X線検査は行われておらず、健康な人が受けてもほぼ意味がない。一方、ヘビースモーカーで肺がんになるリスクが高い人は、1年に一度、低線量CT検査を受けると死亡率が下がることがわかっています。もちろん、最大の予防はたばこを吸わないことです」(舛森さん・以下同)
がんや認知症など病気のかかりやすさや、体質などがわかる「遺伝子検査」も必要ないという。
「検査を受けた人の方が長寿だというデータはなく、家族が遺伝子系の疾患にかかっているなど心当たりがなければ、受ける必要はありません。遺伝子系の疾患はわかっても対処法がないことも多く、子供への遺伝など悩みが増えてしまう結果になりかねません」

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※女性セブン2025年5月8・15日号