
免疫力アップ、生活習慣病予防など、いまや「元気で長生き」するために“腸活”は欠かせない。腸内環境を整える方法も、日々アップデート。最新の情報を取り入れたレシピで、おいしく元気に!料理研究家・管理栄養士の金丸絵里加さんが、発酵性食物繊食材と不溶性食物繊維食材を組み合わせた腸活レシピを教えてくれた。
腸活が長生きの鍵!食物繊維を意識した食事を
「腸には全身の約7割の免疫細胞が集まっています。“腸活”で腸内細菌が活発になれば免疫機能が維持され、高血圧や脳卒中などの予防も期待できます」と金丸さん(以下同)。
腸活に欠かせないのが食物繊維。不溶性と水溶性が知られているが、近年登場して話題なのが「発酵性食物繊維」だ。
「食物繊維は菌のエサになるため、さまざまな種類を摂ることが重要。多種類の食物繊維や発酵食品を組み合わせて、腸内環境を整えましょう」
発酵性食物繊維とは…
食物繊維は大腸で腸内細菌によって発酵・分解されるが、この過程が他の食物繊維よりスムーズに行われるのが「発酵性食物繊維」。短鎖脂肪酸などの有用物質を作り出すことからも、注目が集まっている。豊富に含む食材は、冷やご飯、全粒小麦、豆類、いも類、アボカド、ごぼう、バナナなど。
一緒に摂れる水溶性食物繊維も多数「発酵性食物繊維」×発酵性や水溶性にはない働きが「不溶性食物繊維」
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は働きが異なるため、どちらも摂ることが大切。一方、水溶性食物繊維と発酵性食物繊維の両方が含まれる食品は多くある。そのため、発酵性と不溶性を摂れば、3つの食物繊維がまんべんなく摂取できる。
「おからチキンナゲット アボカドバナナソース」のレシピ
ナゲットにもソースにも食物繊維がたっぷり。
【アボカド】【バナナ】【玉ねぎ】×【おから】
《作り方》(12個分)
【1】ボウルに鶏ひき肉150g、生おから80g、溶き卵1個分、水・粉チーズ各大さじ1、オイスターソース小さじ1を入れ、粘りが出るまでよく混ぜたら12等分にして丸める。
【2】フライパンに揚げ油を深さ2cmほどまで入れて熱し、【1】を揚げ焼きにする。バットなどに取り出して油を切り、器に盛る。
【3】アボカド1/2個は種を除いて皮をむき、バナナ1/2本とともに粗く刻む。玉ねぎ1/8個はみじん切りにする。
【4】ボウルに玉ねぎ、粒マスタード・レモン汁各大さじ1、しょうゆ小さじ2を入れてよく混ぜる。残りの【3】を加えてなじむまで混ぜ、【2】に添える。
「きなこソースのバンバンジー」のレシピ
ごまの代わりにきなこで発酵性食物繊維をプラス。
【きなこ】×【きゅうり】
《作り方》(2人分)
【1】鶏もも肉1枚に砂糖小さじ1、塩小さじ1/3をもみ込む。たっぷりの湯に酒大さじ2、(あれば)しょうがの皮・長ねぎの青い部分各適量を入れ、鶏肉を加える。弱火で5分ゆで、火を止めて蓋をし、そのまま約30分おいて余熱で火を通す。
【2】きゅうり1本はピーラーで薄切り、しょうが1/2片、長ねぎ1/3本はみじん切りにする。
【3】しょうが、長ねぎ、きなこ大さじ3、しょうゆ・鶏肉のゆで汁各大さじ2、酢・砂糖各大さじ1、(好みで)ラー油小さじ1/2をなめらかになるまで混ぜる。
【4】器にきゅうりを盛り、【1】を食べやすく切ってのせ、【3】をかける。
「干物とみょうがのレモン混ぜご飯」のレシピ
不溶性食物繊維を多く含んだ夏のご飯。
【ご飯】×【みょうが】【コーン】など

《作り方》(2人分)
【1】あじの干物2尾は魚焼きグリルで両面を焼き、粗熱がとれたら骨と皮を外して粗くほぐす。みょうが2個は小口切り、青じそ4枚は細切りにする。
【2】レモン汁大さじ2、白だし小さじ2、おろししょうが小さじ1、砂糖小さじ1/2をよく混ぜる。
【3】ボウルに温かいご飯300g、【2】を入れ、味がなじむまでさっくりと混ぜる。【1】、ホールコーン50gを加えてさらにさっくりと混ぜる。
「キャロットラペと枝豆のマスタードスープ」のレシピ
にんじんで食物繊維もビタミンも摂れる。
【枝豆】×【にんじん】

《作り方》(2人分)
【1】にんじん1/2本はせん切りに、ハム3枚は細切りにする。
【2】鍋にオリーブオイル小さじ1を熱し、【1】を入れてにんじんがしんなりするまで炒める。【3】水2カップ、粒マスタード小さじ2、酢・ウスターソース各小さじ1、砂糖小さじ1/2を加え、強火にする。煮立ったらむき枝豆80gを加え、塩・こしょう各少量で味を調える。
「なすと長いもの香味甘酢和え」のレシピ
長いものねばねば効果で腸が喜ぶ!
【長いも】×【なす】【みょうが】

《作り方》(2人分)
【1】なす2本はひと口大の乱切りにする。
【2】ボウルにオイスターソース・酢・しょうゆ・ごま油・水各小さじ1、片栗粉小さじ1/2、【1】を入れてさっくりと混ぜる。ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で3分加熱する。
【3】みょうが1個は小口切りにし、長いも80gは皮をむき、麺棒などでひと口大にたたく。
【4】【2】に【3】を加え、全体に味がなじむように絡める。
「じゃがいもとピーマンの塩昆布炒め」のレシピ
塩昆布で旨みと食物繊維を増し増し。
【じゃがいも】【塩昆布】×【ピーマン】

《作り方》(2人分)
【1】じゃがいも1個は皮をむいて4~5cm長さの細切りにし、水に2分ほどさらして水気をしっかり切る。
【2】ピーマン3個は縦に半分に切って種を除き、横に細切りにする。
【3】フライパンにオリーブオイル大さじ1を強火で熱し、じゃがいもを入れて塩・こしょう各少量を振り、つやが出るまで炒める。ピーマン、塩昆布10gを加えて手早く炒め合わせる。
「ひよこ豆とゴーヤーのピクルス」のレシピ
ナンプラーと豆板醤で補菌効果も。
【ひよこ豆】×【ゴーヤー】

《作り方》(2人分)
【1】小鍋に酢1カップ、水1/2カップ、砂糖大さじ2、ナンプラー大さじ1、豆板醤小さじ1/2~1、塩小さじ2/3を入れて火にかけ、煮立ったら火を止めて粗熱をとる。
【2】ゴーヤー1/2本は縦に半分に切って種とワタを除いて1cm幅に切る。さっとゆでて水気をしっかりと切る。
【3】【2】を熱いうちにひよこ豆(水煮)100gとともに【1】に加えて漬け、粗熱がとれたら保存容器に入れて冷蔵庫でひと晩おく。(※冷蔵で約1週間保存可能)
◆教えてくれたのは:料理研究家、管理栄養士・金丸絵里加さん

栄養たっぷりで健康的なレシピを提案。『体がととのうスープ うまみ食材でだしいらず。ほぼ10分でできる!』(Gakken)など著書多数。
撮影/豊田朋子 スタイリング/しのざきたかこ、三谷亜利咲 撮影協力/UTUWA 取材・文/平井薫子
※女性セブン2025年7月31日・8月7日号