医師や薬剤師に相談することも重要
銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘さんは、胃の不調には腸活がいいと助言する。
「善玉菌を増やすヨーグルトやみそ、納豆などの発酵食品や食物繊維が豊富な野菜などを積極的に摂ることで腸内環境が整い、胃の不快感が改善されることがあります」
実際に薬を上手に減らすことで、健康を取り戻した人は少なくない。埼玉県在住のDさん(51才)は、「1年前の義母(80才)は、認知症かと思うようなひどい状態だった」と振り返る。
「活動的な人でしたが、急に元気がなくなって、日中は常にぼーっとして記憶力も低下しました。足元もおぼつかず、かかりつけ医に相談したところ、不眠でベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用していたのがいけないことがわかりました。医師が数か月かけて丁寧な減薬プランを作ってくれたおかげで、症状は改善。薬に頼らず、就寝前のストレッチと読書で自然な眠りにつけるようになり、中断していたパッチワークの教室に楽しそうに通っています」
国際医療福祉大学病院内科学教授の一石英一郎さんの患者で、降圧剤2種類と睡眠薬を長年服用していた80代女性も薬をやめて元気になったという。

「朝のふらつきや転倒を訴えていましたが睡眠薬を中止し、降圧剤を1種類に減らしたところ不調は改善して活動量が増加しました」(一石さん)
村岡さんのように主治医と相談して薬を調整できることもあるが、医師に訴えても快く応じてもらえるとは限らない。松田さんは患者側が薬の副作用をしっかり調べてから伝えると、医師に理解してもらいやすいとアドバイスする。
「インターネットで調べれば、簡単に薬の副作用はわかります。おすすめは『日経メディカル』の『処方薬事典』。薬の名前を入力すれば効果や副作用がわかるので、自分でしっかり調べてください。副作用の欄に該当する不調があれば印刷して、“この薬をのみ出してからこういう症状が出る”などと具体的に伝えるのがいいでしょう」
医師に話す前に、薬剤師に相談するのも手だ。
「薬名が違っても、降圧剤と利尿剤など作用効果が似た薬が複数処方されていることがある。服用中の薬はお薬手帳で管理するとともに、重複した薬が処方されていないかを薬剤師にチェックしてもらい、相談するといいでしょう。ただし、医師の指示なく勝手に薬をやめてはいけません。主治医に相談しても相手にしてくれないようなら、セカンドオピニオンを受けるのも手です」(一石さん)
高齢者の場合は、家族の協力も欠かせない。

「減薬を行うときは、患者さん自身が納得していなければ意味がありません。医師が一方的に薬を減らすと、“あの病院では薬も出してくれない”と信頼関係が崩れてしまう。家族は本人がどんな薬をのんでいて、どんな副作用があるのかを調べて、減薬の大切さを伝えてほしい」(舛森さん)
薬をやめるとちょっとした体調の変化で不安になることがある。血圧や血糖値は毎日自宅で測定して、メモしておく。異変があればすぐに主治医に相談しよう。
かかりつけ薬剤師を持つことも重要だ。
「新しい病院を受診したり、市販薬やサプリメントをのむときは、かかりつけ薬剤師に相談する習慣をつけるといい。服薬を一元的に管理し、新たな薬の必要性やのみ合わせに問題はないかをチェックしてくれます。医療に関して心配なことがあれば、全国の都道府県や保健所設置市に設置されている『医療安全支援センター』に相談するのもひとつの方法です」(長澤さん)
不要な薬をやめて薬と上手につきあうことが、健康寿命を延ばす一歩となる。

※女性セブン2025年9月4日号