健康・医療

《ひょっとして逆効果?》グルテンフリー、ヨーグルト、オリーブ油、ナッツ類、減塩生活…注意したい日本人の体質に合わない「食事」と「健康法」

健康にいい油だからたくさん摂る”という考えは危険

 米ハーバード大学の研究などから、健康長寿に役立つ食事法といわれる「地中海食」。その中心的な役割を持つオリーブオイルも心臓病やがんに効果的と推奨されるようになったが、日本人には合わないという。

「地中海沿岸地域で心臓病の死亡率が低いのは、オリーブオイルに含まれるオレイン酸の効果だといわれています。しかし、日本は世界的に心筋梗塞の発症率が極めて低い国です。欧米のデータを参考にオリーブオイルを過度に取り入れる必要はありません」

 生活習慣病の予防などに効果があるオメガ3脂肪酸が豊富なアマニ油やえごま油も注目されるが、必ずしも体にいいとは限らない。

「オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸は、体内でDHAやEPAに変換されて初めて動脈硬化の予防に寄与します。しかし体内での変換率はせいぜい10〜20%程度。油から摂るより、魚から直接摂取する方がはるかに効果的です。そもそも油はどれも高カロリーで内臓脂肪の原因になるうえ、脂質を消化する際に分泌される胆汁は大腸がんのリスクを高めるとも考えられています。“健康にいい油だからたくさん摂る”という考えは危険です」

日本人の体質に合わない「食事」「健康術」
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 地中海食では適度な量の赤ワインの摂取が推奨される。ポリフェノールが豊富で動脈硬化を予防するといわれるが、奥田さんは慎重な姿勢を見せる。

「アルコールである以上、中性脂肪を増やし内臓脂肪を蓄積させます。何より懸念されるのは、日本人の遺伝的な問題です。欧米やアフリカ系の人種と異なり、東アジア人の約4割はアルコール分解酵素『ALDH2』の働きが弱く、有害物質のアセトアルデヒドが体内に残りやすい。そのため、がんのリスクが増加します。ポリフェノールは緑黄色野菜や大豆、魚にも含まれているので、あえてワインから摂る必要はありません」

 認知症予防として人気のナッツ類も、食べすぎには注意したい。

「よく“手のひらに軽く1杯食べるといい”といわれますが、脂質が多くカロリーも高いので、毎日おやつ代わりに食べる習慣はおすすめしません。主な健康成分は前述のアマニ油と同じα-リノレン酸ですが、やはり体内でのDHA・EPAへの変換効率は高くありません」

 過度な減塩生活も日本人には必要ないという。

「厚労省の調査(2024年)によると日本人の塩分摂取量は1日平均9.6gで、世界の約10万人を対象とした研究によって導かれた1日7.6〜15.2gという基準範囲内です。日本は欧米に比べて高温多湿で、日常的な入浴習慣もあるため、汗とともに塩分が排出されやすい。塩分は生命維持に欠かせないミネラルです。摂りすぎは禁物ですが、減らしすぎてもいけません」

肉を食べるなら豚肉か鶏肉を

 たんぱく質を補うために肉食も重要だといわれるが、牛肉は日本人の胃腸には向かないと指摘する。

「日本人は欧米人に比べて脂質を分解する酵素が少なく、飽和脂肪酸が豊富な牛肉の脂は消化の負担になる。肉を食べるなら飽和脂肪酸が少ない豚肉か、できれば鶏肉を選びましょう」

 日本人に合わない食事法がある一方で、体質に適した食べ方も存在する。奥田さんは、穀物の炭水化物をしっかり摂ることの重要性を説く。

「日本人は長年穀物を主食としてきたため、腸にブラウティア菌やビフィズス菌などの善玉菌が非常に多いという特徴があります。これらの働きにより、穀物の炭水化物やアミノ酸を無駄なく利用できる体質を持っています。食事をする際は玄米や雑穀米など、食物繊維が豊富なものを選ぶとより健康によいです」

日本人の体質には和食が最適(写真/PIXTA)
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 米とともに食卓に欠かせないのが魚だ。

「魚のDHAやEPAは、まさに日本人の体質に合った栄養素。サプリメントに頼るより、焼き魚や刺し身として日常的に取り入れるのが理想です。青魚は積極的に選んでください。

 塩分を極端に制限するよりも、野菜や海藻のカリウムを摂ることも意識しましょう。カリウムには余分な塩分を体外に排出する働きがありますが、日本人は目標値の半分程度しかカリウムを摂取できていません」

 腸活という観点で見れば、ヨーグルトなどの乳製品を習慣にするより、日本人の体質には納豆が適している。

「日本人が昔から食べ続けてきた大豆は、体質に合った食材です。大豆のイソフラボンには骨からのカルシウムの流出を防ぐ働きがあります。また、東アジアの女性は大豆の摂取量が多いほど乳がんになりにくいこともわかっている。豆腐やがんもどきなど大豆製品もおすすめです」

 奥田さんは、日本人の体には和食を中心とした食品がベストだと強調する。

「日本人はまじめな国民性ゆえに“これが健康にいい”と聞くと極端に走り、そればかりを食べてしまいがちです。しかし、日本人が長年食べ継いできた和食こそ、体に合った食文化なのです」

 あらゆる健康情報があふれる時代だからこそ、日本人の体に合った食生活を見直したい。

※女性セブン2026年6月4日号

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