「プチオニオン」とも呼ばれる直径3~4cmほどの小さな小玉ねぎを総称して「ペコロス」と呼ぶ。日本ではまだなじみが薄いが、欧米ではポピュラーな野菜だ。
そのまま丸ごと煮ものやオーブン焼き、あるいはピクルスにもよく使われる。普通の玉ねぎよりも糖分が高いため、丸のまま調理することで、口に含んだときのみずみずしさや甘みがいっそう際立つ。
栄養価は普通の玉ねぎとほぼ同じで、糖質となる炭水化物を比較的多く含む。特徴的なのは、肉や魚のにおいを消し涙の成分ともなる硫化アリル。消化液の分泌を促して新陳代謝を盛んにし、血液をサラサラにするため、高血圧や糖尿病によいといわれる。また、豊富に…とはいえないものの、食物繊維とオリゴ糖を含むため、便秘解消にも効果的だ。
家庭料理研究家の松田美智子さんはペコロスについてこう話す。
「玉ねぎに含まれるケルセチンは脂質と結合して排出する性質があるので、お肉料理にはぴったりのサイドディッシュです。ペコロスは丸のまま栄養をいただけて、しかも旬もののうまみは格別。シンプルに楽しみたい野菜です」
ペコロスの準備
ペコロスは表面の皮がしっかりと乾燥して艶があり、重みがあるものを選ぶ。
「小さい分、皮の巻きがきっちりしていて剥きづらいのが難点。天地を切り落として水を張ったボウルに放ち、ペコロス同士を軽くこすり合わせて皮の間に水を入れるようにします。そのまま10分置くと、外皮も薄皮も剥きやすくなります」(松田さん)。
『ペコロスのマリネ』の作り方
【1】赤ワインビネガー1/4カップ、水1カップ、上白糖大さじ1.5、塩小さじ1、小さく切ったタイム(生)2~3茎分をホーローかガラスの鍋に入れて煮立てる。
【2】 【準備】を参照して薄皮を剥いたペコロス8個を保存瓶に入れ、粗熱をとった【1】を加えて蓋をし、常温で2~3日置く。味をみて好みの漬かり具合でいただく。ペコロスを早くマリネしたいときは、横半分に切って漬けるとよい。保存は冷蔵庫で。
『ペコロスのグリル』の作り方
【1】 【準備】を参照して皮を剥いたペコロス8個に、オリーブ油大さじ3、塩・こしょう各少量を絡める。
【2】250℃に熱したオーブン、または予熱をしっかりした魚焼きグリルに並べ、こんがりと焼き色が付くまで7~8分加熱する。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2018年4月19日号
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