料理・レシピ

《これさえあればあと1品が手軽に》アレンジ自在「ゆで鶏」「塩豚」「鮭フレーク」基本レシピとアレンジレシピ

「よだれ鶏」
しっとり仕上がる「ゆで鶏」のアレンジレシピを料理家が伝授!
写真20枚

「あと一品ほしいとき」、「手早く晩ごはんを作りたいとき」頼りになるのが“作りおき”。そこで、料理研究家の高山かづえさんに、作りおきの王道3品のレシピを教えてもらった。冷蔵で3〜4日保存が可能だから、アレンジレシピにもトライして食卓を充実させよう。

ひと手間でおいしく食べ続けられる

アレンジしやすい“おかずの素”は、作りおきに欠かせない。

「今回の3品は作りおきの王道ですが、ゆで鶏は急冷して加熱を止める、塩豚と鮭フレークは冷蔵室でひと晩おいて水気を抜くといったひと手間で、おいしさに差が出ます。味つけをシンプルにすると、アレンジの幅が広がりますよ」(高山さん・以下同)

「ゆで鶏」のレシピ

しっかり加熱しつつ、パサつかない絶妙な仕上がり。

ポイントは芯まで充分加熱することと、加熱しすぎないことの両立。

「ゆで汁につけたまま保存して、しっとり感をキープ。くさみとりに加えた玉ねぎは汁物やオムレツの具に、ゆで汁はスープとしてぜひ活用を」

「ゆで鶏」
「ゆで鶏」
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《材料》(作りやすい分量)

鶏胸肉…2枚(600g) 玉ねぎ…1/4個 塩…小さじ1

《作り方》

【1】鶏肉は全体に塩をすり込んで室温に20分おく。

【2】鍋に玉ねぎ、水5カップを入れて中火にかけ、沸騰したら【1】を皮目を下にして加える。再び沸騰したら弱火にし、5分ゆでる。火を止めて鶏肉の上下を返し、蓋をしてそのまま40分おく。

【3】保存袋に鶏肉、ゆで汁2カップを入れ、空気を抜きながら口を閉じる。氷水を入れたボウルにつけて15分ほどおき、急冷する。袋の水気を拭いてバットなどにのせ(または保存容器に入れて)、冷蔵室で保存する。

《Point》

鶏肉が入った鍋
余熱で火を通して加熱不足を防ぐ
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5分の加熱後、蓋をしたまま火からおろして、余熱で火を通す。

「40分ほどおくことで、中までしっかり熱が入ります」

氷水で鶏肉を冷やしている
氷水で急冷することでしっとり
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そのまま放置してしまうと余熱でどんどん加熱され、パサつきや硬くなる原因に。

「急冷で、しっとり最適な仕上がりに」

【「ゆで鶏」アレンジ】「よだれ鶏」のレシピ

しょうがが効いた香味だれで中華風おかずに。

《作り方》(2人分)

【1】きゅうり1本は斜め薄切りにしてから細切りにする。ゆで鶏1/2枚は7mm厚さに切る。

【2】にんにく1/2片、しょうが1片はみじん切りにし、しょうゆ・酢・砂糖各大さじ1、ごま油小さじ2、白いりごま・ラー油各小さじ1と混ぜ合わせる。

【3】器に【1】を盛り、【2】をかける。

【「ゆで鶏」アレンジ】「ゆで鶏ねぎ和え麺」のレシピ

ゆで汁も使って旨みたっぷりな味わいに。

「ゆで鶏ねぎ和え麺」
「ゆで鶏ねぎ和え麺」
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《作り方》(2人分)

【1】ゆで鶏1/2枚の身は細くほぐし、皮は細切りにする。長ねぎ1/2本は縦に半分に切ってから斜め薄切りにし、水にさらしてもみ洗いし、水気を絞る。

【2】鍋にたっぷりの湯を沸かして中華生麺2玉(250g)をほぐし入れ、袋の表示通りにゆでる。氷水にとって締め、水気をしっかり切る。

【3】ボウルにゆで鶏のゆで汁大さじ4、ごま油大さじ2、塩小さじ1/2、一味唐辛子少量を入れて混ぜ合わせ、ゆで鶏、【2】を加えてよく混ぜる。器に盛って長ねぎをのせ、一味唐辛子少量を振る。

「塩豚」のレシピ

旨みが凝縮した豚肉は使い勝手抜群。

「ひと晩おいてしっかり脱水させることで、ゆでてもパサつきません。部位は、冷たくてもおいしい豚肩ロースが食べやすくておすすめ。こちらもゆで汁は捨てずに活用を。ペーパータオルをかけて保存すると、乾燥が防げます」

「塩豚」
「塩豚」
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《材料》(作りやすい分量)

豚肩ロースかたまり肉…450〜500g(直径約8cm) 塩…大さじ1/2 長ねぎの青い部分…1本 しょうがの薄切り…1片分

《作り方》

【1】まな板にラップを敷いて豚肉を置き、全体をフォークで数か所刺す。塩を全体にすり込んでなじませ、ラップでぴっちりと包む。バットにのせ、冷蔵室に入れてひと晩おき、水気を拭く。

【2】鍋に長ねぎ、しょうが、水6カップを入れて中火にかける。沸騰したら【1】を加え、豚肉が水面から出るようであればかぶるくらいまで水を足す。再び沸騰したら厚手のペーパータオルで落とし蓋をし、弱火で30分ゆでる。上下を返して10分ゆで、火を止めてそのまま粗熱をとる。

【3】長ねぎとしょうがを除き、ゆで汁ごと保存容器に入れて【2】で使用したペーパータオルをかけ、冷めたら冷蔵室で保存する。

《Point》

塩はしっかりすり込んでなじませる
塩はしっかりすり込んでなじませる
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「塩は手ですり込み、まんべんなくなじませます。ラップを敷いて、その上で行うと塩が無駄にならず、そのまま包めます」

豚肉をラップでぴっちり包んでいる
ラップでぴっちり包む
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ひと晩おく間に豚肉から水分が出て塩となじむ。「ぴっちり隙間なく包むことでその塩水が豚肉全体に行き渡り、旨みになります」。

豚肉をゆでている
豚肉が沈むくらいの量の湯でゆでる
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「湯の量は豚肉が沈むくらいを目安に。ペーパータオルで落とし蓋をするとアクとりの手間が省け、パサつきも防げます」

ペーパータオルで落とし蓋をしている
ペーパータオルの落とし蓋でアク取りいらず
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【「塩豚」アレンジ】「即席チャーシュー丼」のレシピ

調味料とさっと絡める程度で塩豚のジューシーさをキープ。

「即席チャーシュー丼」
「即席チャーシュー丼」
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《作り方》(2人分)

【1】塩豚1/2量は3mm厚さに切る。

【2】塩豚のゆで汁1/4カップ、しょうゆ・酒各大さじ1を混ぜ合わせる。

【3】フライパンに砂糖大さじ1、水小さじ1を入れ、中火にかける。薄く色づいてきたら【2】を加え、1分ほど煮詰め、【1】を加えてさっと絡める。

【4】器にご飯300g、【3】を等分に盛り、卵黄を1個分ずつのせる。粗びき黒こしょう少量を振る。

【「塩豚」アレンジ】「塩豚のにらしそキムチだれのせ」のレシピ

肩ロースでさっぱりポッサム風。たれの青じそがアクセント。

「塩豚のにらしそキムチだれのせ」
「塩豚のにらしそキムチだれのせ」
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《作り方》(2人分)

【1】塩豚1/2量は7mm厚さに、キムチ50gは大きければ食べやすく切る。にら30gは1cm幅に刻み、青じそ10枚はひと口大にちぎる。

【2】塩豚以外の【1】、ごま油小さじ2、しょうゆ小さじ1/2を混ぜ合わせる。

【3】塩豚を器に盛り、サンチュ適量を添える。塩豚に【2】をのせ、サンチュで巻いて食べる。

「鮭フレーク」のレシピ

ごちそうフレークは新米のお供にも最高!

旬の秋鮭を使って自家製フレークに。手作りだから安心安全で、ほぐし具合も好みで調整できる。

「アルミホイルの上で焼くから、後片付けも簡単。冷蔵室で乾かした後は、自家製塩鮭としても楽しめます」

「鮭フレーク」
「鮭フレーク」
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《材料》(作りやすい分量)

生鮭の切り身…4切れ(350〜400g) 塩…大さじ1/2 サラダ油…小さじ1 しょうゆ…小さじ1/2

《作り方》

【1】鮭は全体に塩を振ってなじませる。皮目を上にして、バットに重ねた網に並べる。ラップをかけずに冷蔵室に入れ、ひと晩おいて乾かす。

【2】魚焼きグリルにアルミホイルを敷き、【1】を皮目を上にして並べる。弱火で5分、上下を返して2分焼き、もう一度裏返して2分焼く。

【3】アルミホイルの上で鮭をひと口大にほぐしながら小骨を除く(皮もひと口大にほぐす)。サラダ油、しょうゆを回しかけてさっと混ぜ、保存容器に入れて冷蔵室で保存する。

《Point》

鮭の裏表全体に塩を振っている
鮭の裏表全体に塩を振ると水分が抜け、旨みが凝縮
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「塩を多めに振ることで、鮭がしっかり脱水され、くさみも抜けます。両面の全体にまんべんなく振りましょう」

鮭の切り身
冷蔵室でおく前
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鮭の切り身
冷蔵室でおいた後
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「ひと晩おくとくさみが抜けて、旨みが増します。ラップをせずに冷蔵室におくことで、干したような質感に」

おく前と比べると、色が濃くなり身が締まっているのが分かる。

ほぐした鮭に調味料をかけている
焼いてほぐしたら、仕上げに調味料と油を絡め、旨みとしっとり感をプラス
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「しょうゆで旨みを、サラダ油でしっとり感をまとわせます」

【「鮭フレーク」アレンジ】「鮭とアボカドのチーズオムレツ」のレシピ

アボカドとチーズのなめらかさに鮭の塩味がマッチ。

「鮭とアボカドのチーズオムレツ」
「鮭とアボカドのチーズオムレツ」
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《作り方》(2人分)

【1】卵3個はボウルに割りほぐし、塩・粗びき黒こしょう各少量、鮭フレーク50gを加えて混ぜる。

【2】アボカド1個は1.5cm角に、クリームチーズ2個(約30g)は1cm角に切って、【1】に加えて混ぜる。

【3】約20cmのフライパンにバター10gを中火で熱し、バターが溶けたら【2】を流し入れて蓋をする。1分焼いて弱火にし、さらに5分焼く。食べやすく切って器に盛る。

【「鮭フレーク」アレンジ】「鮭とまいたけののり和え」のレシピ

包丁不要で一品。鮭とまいたけの旨みでだしいらず。

「鮭とまいたけののり和え」
「鮭とまいたけののり和え」
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《作り方》(2人分)

【1】まいたけ1パック(100g)はひと口大にほぐす。赤唐辛子1本は種を除いて半分にちぎる。

【2】小鍋に水1/4カップ、酒大さじ1、しょうゆ・みりん各小さじ1、鮭フレーク50g、赤唐辛子を合わせて中火にかけ、煮立ったらまいたけを加え、蓋をして弱火で3分煮る。

【3】焼きのり1/2枚をちぎって加え、ひと混ぜする。

◆教えてくれたのは:料理研究家 高山かづえさん

白いエプロンをした女性
料理研究家の高山かづえさん
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おいしく作るポイントを押さえたレシピが好評。著書に『レンジでかんたん、体ととのう スープの冷凍ストック&アレンジ』(マイナビ出版)など。

撮影/豊田朋子 取材・文/平井薫子

※女性セブン2025年10月9日号

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