健康・医療

家にいても油断はNG!秋の”隠れ夏バテ”にならないためのケア方法を整体師が指南

旅行やレジャーを控えて家で過ごす時間が多かったという人も、この秋は隠れ夏バテに注意が必要なのだとか。

扇風機の風を受けて寝ているフレンチブルドッグ
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全身の疲労感や倦怠感、無気力、イライラ、食欲不振、眠りが浅いなどのつらさが起こると言われている、夏バテ。整体サロン「カラダファクトリー」などを運営するファクトリージャパングループ技術総責任者で整体師の大貫隆博さんは、近年の猛暑によって冷房が低めの温度に設定された部屋と猛烈な暑さの室内を1日に何度も行き来することで、体温調節機能が乱れたり、お腹の働きが鈍ったりし、疲れが溜まりやすくなるのでは、と言う。

ステイホーム中でも夏バテに!?

今年は、テレワークなど働き方の変化やステイホームによって例年に比べて外出の頻度は減っていると考えられるものの、室内で過ごすことが多かった人も隠れ夏バテになる可能性があるようだ。

「自宅にいる時間が多い中、昼夜逆転など不規則な生活が続くと、自律神経が乱れやすくなると思われます。そのうえ、体が気温差に慣れていない分、たまに外出したときの酷暑に加え、外出先で室内の空調が冷えすぎていたりすると寒暖差のダメージが例年以上に負担になる可能性があります」(大貫さん)

エアコンを寒がる女性
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また、コロナ太りなど運動不足が気になるという人も多かった今年の夏。極度の運動不足になってしまう環境だと、体から熱を発するのが不十分になる、と大貫さん。

「エアコンが28度くらいの温度設定でも、寒い寒いとひざ掛けが手放せないかたもいます」(大貫さん)

9月は全国的に平年より気温が高く、気象庁によると10月も東・西日本で例年より気温が高くなることが予想されており、厳しい残暑になる見込みだという。引き続き、熱中症への十分な注意はもちろん、夏バテを解消する生活習慣を心がけることが秋に向けての健康的な過ごし方と言えそう。

隠れ夏バテにならないための生活習慣

「暑さや温度差、紫外線、乾燥で疲れてしまった体をいかに早く回復させるかが、秋口の脱・隠れ夏バテの決め手になります。そこで大切なのは睡眠の質を高めること」と、語る大貫さんが教えてくれた3つの生活習慣をチェック。

お風呂に入っている女性
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◆ぬるめのお風呂で快眠モードに

38~40℃ほどのぬるめのお湯は疲れを溜めることもなく、体の深部体温を上げるため血流がよくなる。眠りにつく頃には深部体温が下がり、質のよい眠りを得やすくなる。急に熱い湯にはいると逆に興奮して眠りにくくなったり、疲れたりしてしまうので注意が必要。

寝ている女性
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◆就寝中もエアコンで快適温度をキープ

暑くて寝汗をかくと、寝ている間も体温調整し続けることになり、眠りの質が下がって寝ている間も疲れが溜まってしまう。そのため、就寝中もエアコンを切らず、27~28度程度の自然な温度設定で快適な室温や湿度をキープするのが快眠のコツといえそう。

◆UVケア用品で紫外線をブロックする

9月になっても侮れないのが紫外線。屋外ではUVカット仕様のサングラスや日よけ帽、日傘などを使い、紫外線をブロックすることを心がけるのがベター。移動の際は、選べるなら早朝か夕方以降にするか、可能な限り日陰を選んで歩くようにするのがおすすめ。

隠れ夏バテにならないために!ストレッチ2選

寝起きや寝る前にベッドの上でできる簡単ストレッチを紹介。習慣にして、隠れ夏バテを撃退して。

体がなんとなくだるい”朝”のストレッチ

足や手の指先から動かし、段階的に体全体が連動して伸びるように行う。

体がなんとなくだるい“朝”のストレッチ
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【1】足の指先で、握る、開くを繰り返す。

体がなんとなくだるい“朝”のストレッチ1
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【2】手を胸の前で組み、指先を反らすようにまっすぐ上方に伸ばす。

体がなんとなくだるい“朝”のストレッチ3
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【3】頭の後ろで手を組んで、腰を捻るように左脚を右側に伸ばす。腰がつらい人は無理をしないようにゆっくりと行うこと。

体がなんとなくだるい“朝”のストレッチ3

【4】右腕を45度ほどの位置にまっすぐ伸ばし、顔を右手の方に向けて30秒キープ。反対も同様に行う。

寝苦しい“夜”のストレッチ

日中、デスクワークをしている人は前傾姿勢で過ごしていることが多いと思われるため、胸郭を広げて姿勢を正し、呼吸をしやすい態勢を作る。

寝苦しい夜のストレッチ1
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【1】枕や丸めたタオルを胸の下に置き、仰向けで寝る。口から完全に息を吐き切り、鼻から4秒間息を吸う。

寝苦しい夜のストレッチ2
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【2】そこから7秒間、息を止め、8秒間かけてゆっくりと口から息を吐き出す。

寝苦しい夜のストレッチ3
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【3】これを最低4回以上繰り返すと、心身ともにリラックスできる。

「夜にリラックスを司る自律神経の副交感神経を優位にし、良質の睡眠を取る方法として呼吸法が役立ちます。私たちの体には自分の意志で制御できる体性神経と、自分の意志では制御できない自律神経があります。ただし、呼吸だけは唯一その両方の支配を受けています。つまり、自分の意志で呼吸をコントロールすることで、自律神経を制御することが可能なのです。副交感神経を優位にするには、呼吸の際に最も重要な働きをする横隔膜(胸)を、ゆっくり下げ、ゆっくり上げるという動作が有効です」(大貫さん)

教えてくれた人:大貫隆博さん

おおぬき・たかひろ。整体師、パーソナルトレーナー、ボディデザイナー。整体サロン「カラダファクトリー」などフィジカル/ヘルスケア系施設を国内外に340店舗以上運営する(株)ファクトリージャパングループ技術総責任者。技術開発や指導などを行うだけでなく、ステージ前のトップモデルにプロポーションを美しく整える施術を行ったり、女性誌で日常のストレッチ指導・監修を行ったりするなど、女性の美しいボディライン作りに造詣が深い。YouTubeチャンネル「おうちでカラダファクトリー」にて、セルフケアのハウツー動画を配信中。

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