比較的安くて手に入りやすい白菜は、冬の食卓のお助け食材。ただ、ボリュームがあるゆえに、うまく使い切れずに傷んでしまった…という経験がある人もいるのではないでしょうか。そこで、野菜ソムリエプロの福島玲子さんに、白菜を長持ちさせる上手な保存方法を聞きました。
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白菜の保存のコツは、乾燥から守ること
せっかくおいしい白菜を買ってきたならば、長く持たせたいものですよね。傷ませないためにどうしたらいいのかわからない…というお悩みの解決法を伝授します。
また、冷蔵庫に入らないときはカットしてもOKです。カット保存のコツもお話します。
丸ごと保存のときは、外葉で包むのが◎
丸々一玉買ってきたときの保存のコツは、外葉を捨てずに、それで白菜の身を包んでおくことです。水分を多く含む白菜にとって乾燥は大敵ですが、外葉で包むことで乾燥から守ってくれるので長持ちします。外葉で包んでから、さらに新聞紙やビニール袋で包むと、よりよいですよ。
野菜は栽培されているときと同じ状態で保存するのが基本なので、白菜は冷蔵庫内で縦に置くようにしましょう。白菜は収穫後も本体の栄養を使って成長しようとするのですが、横にすると、栽培されているときと同じ状態に戻ろうとして、余計なエネルギーを使ってしまい、ストレスがかかるので甘みや旨味が減ってしまいます。また、保存する場所ですが、寒い季節は涼しい部屋や玄関で常温保存してもOKです。
カット保存は、切り方にもポイント!
白菜をカットして保存する場合は、成長を防ぐために切り口をラップでしっかりと閉じて、外側は外葉で包みましょう。
切り方にも注意してくださいね。半分や1/4にしたいとき、包丁でざっくりとカットしてしまうと、葉が分かれて、そこから乾燥して傷む原因となります。それを防ぐには、まず芯に切り込みを入れて、そこに指を押し込んで割ると、葉っぱが自然と分かれて無駄な傷がつきづらいのでおすすめですよ。
保存の際は成長を止めるとさらに長持ち
つまようじを白菜の芯に3~4本刺して、成長点という細胞を破壊して成長を止めると、鮮度を維持できて、保存期間が少し長くなるといわれています。成長点は芯から葉につながっているところにあるので、芯の外周から中央に向かって刺すことで成長を止めることができます。
白菜についた黒い粒は何?
白菜を調理するときに気になる疑問点や意外と知らない豆知識をプロ目線でお話します。
白菜から出る黒い粒はポリフェノール
最近のスーパーで販売している白菜ではあまり見かけませんが、菜にゴマのような小さい黒い粒が出ていることがありますよね。これは栽培時に土の中の窒素成分が多いと出るもので、一見よくないものに思うかもしれませんが、実はポリフェノールだといわれています。
ポリフェノールには抗酸化作用があり、アンチエイジングなどに効果があるとされている成分です。つまり、食べるときに害はないので、気にする必要はないですよ。
鍋だけじゃない!白菜をおいしく食べるコツ
白菜というとお鍋のイメージがありますが、スライスしてサラダにしてもおいしいですし、トロトロとしたあんの煮物や、8分の1程度の白菜を丸ごと焼いた白菜ステーキにしてもおいしくいただけますよ。
白菜をサラダにするときは、繊維に沿った方向ではなく繊維を切るようにカットすると、ジューシーでみずみずしく、甘みをより感じられるようになります。また、加熱調理しがちな白菜ですが、生食や漬物にして食べることで、熱に弱いビタミンCも無駄にせず摂ることができます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ