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薄井シンシアさん、心の不調を抱える人に「陰ながら応援」ではなく「具体的な支援」と考えるワケ

何かしたいときに出会えた水彩画

――真理子さんは絵を。シンシアさんは仕事を。お2人とも心の不調を抱えていたとき、「夢中になって手を動かす」ということをやってきたのでしょうか。

シンシアさん:あくまで私のケースですが、私は目の前にある仕事に集中する、否が応でも集中しなきゃいけない状況に身を置くっていうやり方でした。仕事を辞めて夫の赴任先のリベリアに飛んだときもそうですね。料理のムック本を3冊買って、載っている料理を片っぱしから作りました。娘の大学進学(巣立ち)が決まったときはタイの食堂で働き始めて、子どもたち700人の顔と名前を覚えました。

井上真理子さん
何かしたいときに水彩画に出会えたよかったという
写真8枚

真理子さん:うつ病になると「休んで」と言われるんですけど、休めない人もいるんですよね。私は休み方を知らない人間だから、余計につらくて。仕事も家事もしないでベッドに横になっていると“何も価値を生み出していない私”を意識してしまってどんどん気分が沈んでしまいます。お金が発生しなくてもいいから、とにかく何かしたいというときに水彩画に出会えてラッキーでした。

シンシアさん:「休んで」もそうだし、うつ病のときに他人から「こうすればいいよ」「これやると良くなるよ」とあれこれ言われると、それがまたプレッシャーになったりもしますからね。

かといって、腫れ物に触るようにするのもどうかと思うんですけどね。「そっとしておきましょう」と一歩引いた態度を取る人ばかりっていうのは何か違う気がするんです。