夏の冷えのぼせには漢方によるケアもおすすめ
漢方薬は、のぼせなど原因が分かりにくいけれども症状がある状態の改善を得意としています。自然由来の生薬の組み合わせでできているため、西洋薬よりも副作用が少ないとされ、長い漢方医学の歴史による、経験にもとづいた安全性があるので、婦人科の治療でも使われています。
冷えのぼせを根本から改善する方法
自律神経を整えたり、血液の循環をよくしたりすることで、体内の熱の偏りを整えれば、冷えのぼせも改善できます。加えて、冷えや疲れやすさなどの症状も改善されるでしょう。そのために、問題の根本にアプローチして改善を目指す漢方薬を取り入れるのも方法のひとつです。
冷えのぼせにおすすめの漢方薬2つ
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血液の巡りをよくして不調の解消を目指す漢方薬です。冷えのぼせのほかに、生理不順やにきびなど肌荒れなどの症状にも用いられます。
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
女性のための漢方薬として有名で、更年期のさまざまな症状によく使われます。血行を整え、熱を冷ますことで、冷えのぼせの改善のほか、自律神経のバランスも整えます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は繰り返す不調に対して、根本からの改善が期待できる薬です。そのため、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
食事で巡りのいい体を作る
冷えのぼせは血流の滞りによって起きます。冷えた部分に外から熱を加えるのではなく、運動不足やストレスを解消しつつ、血液の巡りを促す食材を食事に取り入れ、偏った熱を体に循環させるのが有効です。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。