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「卵巣がんの疑い」で手術した65歳オバ記者、身に沁みた友人からの心配と「胸が締め付けられる」末期がんの幼なじみの死

手術から2か月で体調は“ほぼ回復”

で、現実はというと、ひと言でいうと“ほぼ回復”だね。病後の人がよく、「薄皮がはがれていくように回復した」というけれど、そんなものではなく、もっと劇的な気がするの。

オバ記者
6時間もの手術を終えた直後のオバ記者
写真8枚

そりゃあ、お腹をタテにバッサリと切って、12cmに膨らんだ卵巣と、その病原の元になった子宮を全部取り出したんだから、いきなり元気にはならないわよね。退院後、ちょっと歩くと切った皮膚だけじゃなくてお腹の中の手術痕がイヤな感じに痛くなったもの。そうなると体中から力が抜けて、翌日はベッドの中でぐだくだ。

それだけじゃない。退院して1か月たっても体全体がむくんでいる感じで、何をしても動きがにぶいんだよ。思うように足が上がらないのも気になる。階段を2、3段上ろうとすると老人のように脚を広げてよいしょ、よいしょって、それはないでしょ!

そりゃあ、65歳の私は“高齢者”だけど、老人になるのはまだ先だと思いたい。手術をして一気に老いたという話は聞いたことはあるけれど、まだまだ抗いたいじゃないの。

そんなことを考えながら私の住む千代田区からいただいた“敬老入浴券”を持って、神田郵便局近くの極楽湯へ行ったわけ。

極楽湯は都内でも珍しいスパつきの銭湯で、3時間のサウナコースや、漫画読み放題で10時間利用できるRAKUスパコースがあるのね。そこに新設されたマッサージコーナーで出会ったのがリンパマッサージ師のミヤちゃんだったの。

オバ記者
リンパマッサージ師のミヤちゃん
写真8枚

リンパマッサージは手と器具を使って、「いててて。ひぃぃぃ」の100分間。痛いけど気持ちいい。気持ちいいけど、ちょっと痛い、かな? その繰り返し。これがクセになって週に一度を3回繰り返した。そのうちの1回はリンパの翌日、前からかかっていたタイ古式マッサージのNさんの元へ。

リンパマッサージで全身に滞っていたリンパの流れを良くして、タイ古式で体のすみずみを伸ばそうというわけ。

「この組み合わせ、最高ですね」と、ミヤちゃんがいえば、タイ古式のNさんは、「リンパの方、ずいぶん頑張りましたね。背中がちゃんと背中になっています」だって。流派は違えども施術をすると相手の仕事ぶりがわかるみたい。

駅の階段を上れるように!

オバ記者
階段を上れるまでになった!
写真8枚

その結果が階段よ。ここを私、ちゃんと足をそろえて上ったのよ。思えば秋葉原に引っ越してき6年前はたいした決意もなく、ちょっとした荷物を持っていてもなんてことなく上っていたのよね。それが気付いたときは階段なんか見るのもイヤ。その代わり駅のエレベーターとエスカレーターを探す目は誰よりも早くなっていた。

そんな時にあるタブロイド紙から「元気な闘病」という趣旨で取材を受けたの。44年間の記者生活で取材をしたことは日常だったけれど、取材を受けることはめったにないからね。記者のMさんが「闘病話でこんなに爆笑していいんでしょうか」と涙目になるほど、張り切ってお話ししちゃった。

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