ライフ

65歳オバ記者、感染して初めてわかった「コロナの怖さ」と周囲に感染させてしまった自責の念

体温は37度1分が最高、次々に別の症状が

ノドの一点だけにイヤ〜な痛みがあったり、夜中の頻尿、頭痛、だるさ。何かが収まってきたと思ったら、また別の症状が出てくるからどんどん不安になるんだわ。

10年以上前にインフルエンザになったことがあって、身体がだるくて身動きが取れないという意味では同じだけど、今回はどんな症状が出ても発熱だけはしないんだよね。

コロナといえば発熱。熱が出たらまず病院に電話をして、発熱外来で診察を受ける予約をする。と、これが常識ということは私だって知っている。

でも発症した元日の体温が最高で、37度1分。あとはずーっと平熱だから、発熱外来にも行かなかった。てか、それ以前に自分がコロナに感染しているとは思わなかったのよ。

オバ記者
37度1分は元日だけ。あとはずっと平熱だった
写真9枚

そのせいで、弟夫婦や私を歓待してくれた福島の親戚を感染させたと思ったら、ほんと、いたたまれないのよ。昼夜問わず、寝ては起きて何か口にしたらまた寝る。その夢うつつの間、私が感染させた身内を思って、何回ベッドでのたうち回ったか。

かかりつけ医の医院は1月5日まで正月休み中で、6日朝、さっそく電話で症状と経過を話したら「超軽症」という見立て。「自宅隔離は明日までで、明後日からは普通の生活をしてもいいですよ」とお墨付きをくれた。

感染させた弟夫婦への電話は何度もためらった

夕方には私は65歳の高齢者だからと、保健所からも電話がきた。こちらは年配の女性で、私はここぞとばかりに「発熱外来って名づけていると、発熱してないからコロナじゃないんじゃね?と私みたいに油断する人が出るから、発熱しなくてもコロナ。咳をしたらコロナかもって発信したほうがいいですよ」とまくしたてたわよ。

今だからわかるんだけど、その前の誰とも話さずひとり悶々としていた6日間が心身のきつさのビーク。かかりつけ医や、見ず知らずの保健所の人と話ができてものすごく安心したんだよね。

ひとり暮らしの長い私は、体調が悪くなると内にこもるクセがある。誰かに相談してどうなるもんじゃないから、風邪くらいなら誰にも言わない。だけどコロナはそんなことは許されないわよ。

だけど、「どうした?」と弟夫婦に電話をするのは何度もためらった。やっと電話で聞いたら、2人とも高熱。特に義妹は40度近い熱が出ているとか。福島の親戚も寝込んでいるそう。

オバ記者
弟夫婦も福島の親戚も正月後、体調を崩していた
写真9枚

もし何かあったら私は生きていられないよ。と、そんなことを思っているうちに睡魔が襲ってきて起きていられなくなる。

「大丈夫? ほんとにごめん」と謝ったところで自分が安心したいだけじゃないか。感染させた加害者の私に何ができる。

目を覚ましている間中、こんな思いが堂々巡りして、不安定な身体に不安定な気持ちが重なって、にっちもさっちもいかなくなる。コロナは被害者、加害者がハッキリしたときに恐ろしさが一段あがるなんて、私は考えたことがなかった。

私みたいな発熱しないコロナ感染者がウイルスをばら撒いて重症者を作る。きっとこれからこんなことがあちこちで起きるんだよね。

関連キーワード