寒さに強い水菜は、冬に育って春に出荷される野菜です。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによると、「水分が多いのであまり栄養がなさそうなイメージですが、冷涼な気候で育った水菜はバランスよく栄養を含んでいるんです」と話します。詳しい栄養と、野菜ソムリエプロ目線の意外な水菜レシピを教えてもらいました。
* * *
ダイエットにも美容にもよい水菜の栄養
茎が白い水菜は一見すると淡色野菜に思えますが、実は緑黄色野菜。ほぼ水分でできている野菜なので、低カロリーでダイエットにもぴったりです。意外と栄養バランスにも優れています。
抗酸化作用がすごい!水菜の栄養成分
水菜には、抗酸化作用のあるβ-カロテンがたっぷり含まれているので、アンチエイジングや美肌、免疫力アップに効果的ですよ。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、髪、目、皮膚や粘膜の健康維持や、呼吸器を守る働きもしてくれます。油と合わせると効率的に摂取できるので、炒めたり、オリーブオイルやドレッシングをかけたりして食べるとよいです。
レモンの1/2個分以上のビタミンCも含まれています。ビタミンCには、風邪予防だけでなく、コラーゲンの生成を促すほか、抗酸化作用や免疫力強化などの効果が期待できます。
カルシウムを効率的に摂るならビタミンD食材と一緒に!
さらに、水菜は骨を丈夫にするカルシウムも豊富です。カルシウムはビタミンDと一緒に摂取するとより効果的に吸収することができるので、ビタミンDを多く含むしらす干しや干ししいたけと一緒に煮びたしにしたり、鮭フレークなどと合わせてサラダにしたりするのもいいでしょう。
そのほか、貧血予防に効果のある鉄や葉酸、血圧の上昇を抑制するカリウムなどもバランスよく含まれています。
水菜は茹でると栄養価に変化
水溶性の栄養であるビタミンCやカリウム、葉酸は茹でることで減ってしまいますが、茹でたほうカサが減ってたくさん食べられるので、不溶性のβ-カロテンや食物繊維はより多く摂ることができます。調理の際は、栄養面から生食か、加熱するか考えてみてもよいかもしれません。
水菜を炒めて食べてみて!いちおしの調理法
水菜は鍋やサラダのイメージがありますが、炒めてもおいしいです。オリーブオイルを引いたフライパンでベーコンを炒め、そこに3〜5cm程度の長さに切った水菜を入れ、塩・こしょうで味付けをするだけで副菜が一品できあがります。ピザ用チーズなどを入れるのもおすすめです。
卵スープに入れると、料理の色合いがよくなるうえに、水溶性の栄養も逃さないのでおすすめです。ほかにも、温かいうどんやそばに添えるのもいいですし、焼きうどんや焼きそばに入れるのもひと味違った料理に仕上がるので試してみてください。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ