時代は変われど受け継がれる「素意」
一世風靡セピアは1989年に惜しまれつつ解散。その後も、メンバーの多くは今もドラマや映画など幅広く活躍している。
そして、『前略、道の上より』は、リリースから約39年の月日が流れ、スターダスト・プロモーションに所属するEBiDAN(恵比寿学園男子部)がカバー。アレンジは、ゲスの極み乙女。の川谷絵音さんによるものだ。漢(おとこ)感溢れるご本家よりもソフトな印象で、総勢48人による青空の下のダンスは圧巻だ。

SP企画として一世風靡セピアメンバーとのスペシャル対談が公開されており、柳葉敏郎さんは、彼らのパフォーマンスを見ながら目を細め、こう話している。
「潔く生きていくぞ、という思いでパフォーマンスしていたんでね、俺は。誰かが引き継いで、そんな思いでやってくれると嬉しいな」
「ソイヤ!」は歌詞を見ると「素意や」と表記されている。「素意」にはかねてからの願い、本心、という意味があるのだそうだ。
39年前から時代は変わり、流行も変わったけれど、道の上から始まった熱きエネルギーと願いは、今もいろんな人によって歌い継がれ、拡散されている。この言葉を叫びながら、空に向けて手を上げて!
まさに歌詞の如く広がる『前略、道の上より』。なんとも幸せな曲だなあと思うのだ。
◆ライター・田中稲

1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka