
歴史的な低空飛行にあえいだ前作からの挽回を期する朝ドラ。放送開始から約2週間が経過し、NHKの期待を一身に背負う主役の評価は上々だ。そんな彼女の健脚は陸上部仕込み。周囲の度肝を抜く自慢の足で、一気に国民的ヒロインへの道を駆け上がる。
「笑った顔がかわいらしくて、肌もびっくりするほどきれい。いつも目がギンギンで元気モリモリで……スタッフの間でも『超多忙で疲れているはずなのに……』と話題になっています」(芸能関係者)
3月31日から放送がスタートしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』。ヒロイン・朝田のぶを演じる今田美桜(28才)の評判がうなぎのぼりだ。
「スタッフの士気も高く、なんといってもヒロインを演じる今田さんがはつらつとしています。土佐弁で男勝りの女性を意味する『ハチキン』な役どころも着実にものにしていて、ハードな撮影も笑顔でこなす彼女に周囲も引っ張られています。最近では撮影のペースもつかめてきて、週末は晩酌を楽しんでいるそうです」(NHK関係者)
前作の影響を引きずって視聴率は低めのスタートとなったが、すでに上昇傾向にあるという。
「前作の『おむすび』は、ヒロインが元ギャルという設定の意欲作でしたが、初回から視聴率が下降していき、最終的には歴代最低となってしまいました。
一方で、今作は国民的キャラクターである『アンパンマン』の生みの親、やなせたかしさん(享年94)とその妻・暢さんをモデルに夫婦愛を描く、いわば朝ドラの王道。同じ高知県を舞台にした『らんまん』(2023年)を超える県内視聴率を記録するなど、地元での関心の高さもうかがえます」(前出・NHK関係者)
暢さんは活発な女性で山歩きを趣味としたが、本人をも凌駕する今田の一面が周囲を驚かせているそうだ。
「今田さんは学生時代に陸上部だったことを明かしています。今回の撮影を通じて『足が速くなった』と語っていますが、“もともと足が速い”というのが現場でのもっぱらの評判です。

劇中でたびたび登場する走るシーンは、今田さんと並走しながら撮影するのですが、撮り終わって映像をチェックするたびに、みんな『ゼーゼー』と息を切らしていた。下駄なのに靴を履いたスタッフより速く、『え、下駄だよ? 本当!?』と驚かれていましたよ。周囲から、『もう少しスピードを落としてもらっていいですか』と注文がつくこともあるとか(笑い)」(前出・NHK関係者)
3365人が応募した『あんぱん』のヒロイン役。劇中でも“韋駄天おのぶ”の異名をとるだけに、走るシーンは必須。オーディションの最終選考では、実際に走る審査も行われた。
「長いときには下駄で50m近く走るシーンもあるのですが、今田さんは役を勝ち取った後、プライベートでも下駄を履いて、体を慣らしていったそうです。何足も履きつぶしていて、いまでは畑のそばの砂利道も下駄で駆け回っている。アニメでは、ジャムおじさんが運転する車両『アンパンマン号』が走り回ってますが、スタッフたちは『きっとアンパンマン号よりも速いよ(笑い)』と囁き合っています」(別のNHK関係者)
さらに、脇を固める共演陣も豪華だ。

「のぶの祖父役の吉田鋼太郎さん(66才)やヒロインの夫となる嵩の育ての親を演じる竹野内豊さん(54才)は、休憩中も土佐弁で会話するなど役作りに余念がありません。妹役の河合優実さん(24才)と今田さんとは、若手の注目株同士。お互いに意識し合いながら、静かな緊張感を持って撮影に臨んでいます。
嵩役の北村匠海さん(27才)は、今田さんたちを穏やかに眺めながら黙々と絵の練習をしていて、暢さんに『やさしすぎてけんかにもならない』と評されたやなせさんにそっくりです」(前出・NHK関係者)
ベテランが多く集う共演陣の中では、竹野内が北村に積極的に話しかけ、潤滑油のような存在になっているそうだ。
「嵩の両親を演じた松嶋菜々子さん(51才)や二宮和也さん(41才)も今田さんの奮闘に目を細めています。松嶋さんは着物での撮影に備えてトレーニングにも励んでいて、今田さんの頑張りに奮起したところもあったのでしょう」(前出・芸能関係者)
マンガ家としては遅咲きだったやなせさん。『アンパンマン』がアニメ化されたのは1988年、やなせさんが69才のときだった。
(※これ以降、ネタバレあり)
「戦争従軍後、地元の高知新聞社に職を得たやなせさんは、職場で暢さんと出会います。暢さんは戦後初めて採用された婦人記者。ふたりは机が向かい合わせで、仕事を通じて仲を深めていったそうです」(テレビ局関係者)