健康・医療

《あの日娘の「死にたい」を否定しなかった》元TBS高野貴裕アナ都議選出馬へ「障害をもつ子の親になって感じたこと伝えたい」(後編)

都議選に挑戦する高野さん。
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6月22日に投開票を迎える東京都議選への出馬を表明している、元TBSアナウンサーの高野さん。初めての経験となる選挙活動で、高野さんの支えとなっているのが家族の存在だ。妻の女優・星野真里や9才の娘さんが高野さんの背中を押しているという。家族にかけられた言葉、娘のインスタグラムでの発信など、高野家の協力体制についても聞いた。前後編の後編。(前編はこちら)

妻は「応援するよ」

――ご家族の反応は?

「応援してくれていますよ。全面的に応援です。だからもう頑張るしかないと思っています。家族としては一大決心ですからね。いまはパパ、無職なので。これはヤバイですよ。2月には初めてハローワークにも行きました。失業手当というものを経験しようと思いまして」

――ご家族のお話をもう少し。娘さんがインスタグラムを開設されたのは2024年ですよね。

ふうかさんのインスタグラム(@fuka_9_)より
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「そうですね。娘のインスタはいつかやろうねと決めていて、彼女が『自分と同じような境遇の人などに情報を伝えることによって、応援になったり、有益な情報を与えられたりするんじゃないかな』と、自分から言ってきたんです。

最初はYouTuberになりたいと言ったんですよ。でもYouTubeは情報リテラシー含め、『まだ難しいからやめなさい』と伝えました。もし大人になってそういうことがちゃんとわかるようになったら自分で頑張りなさい。でも写真を撮ったりするのは、パパもママも応援できるよと。『ちゃんと自分で考えたことを、まずはパパやママに伝えてね、そしたらパパとママが文章を考えるからね。それなら、あなたも意見を発信できるよね』ということで始まりました」

――ということは、お嬢さんの発案なのですね。

ふうかさんのインスタグラム(@fuka_9_)より
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「そうなんです。活発で、チャキチャキな子で、よく喋ります。YouTuberになりたいというのは、いまどきの子供ならよくある考えかとは思うのですが、『あなたには他の人にはない障害があるけれども、それが特性だと考えたら唯一無二なんだよ。だったらあなたにしか伝えられないことがあるよね』ということは伝えました。そしたら『やってみる』と。ふたを開けてみたら、たくさんの人にご声援をいただきまして、反響も大きいですし、とてもありがたいです。

よくいただくのは『私も(障害を持っています)です』『身近に同じような人がいます』という反応です。同じような境遇の方が感じていたこと、考えていたことを代弁するように、娘なりに発信できているのかなと思いますね」

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