
‘25年もすでに、4月頃まで食品の継続的な値上げが見込まれている。値上げラッシュのいま、“使い切れなかったから捨ててしまおう”なんてもったいない! とはいえ、どうしても余ってしまうのが、柚子胡椒やナンプラーといった“マイナー調味料”。そこで、料理研究家の大友育美さんが7種の調味料の徹底活用レシピを教えてくれた。「こんな使い方があったの?」と驚くこと、間違いなし!
ドレッシングの徹底活用レシピ

「ドレッシングといえばサラダにかけるしか使いようがない、と思われがちですが、そんなことはありません。たとえば和風ドレッシングなら、材料は主に、しょうゆに酢、オイル、こしょうですから、肉や魚の調味にもピッタリなんです」(大友育美さん・以下同)
■切り身魚のフライパンソテー(2人分)
ぶり、たら、生さけなど、お好みの魚の切り身2切れを、サラダ油小さじ2を熱したフライパンで両面焼いたら、しょうゆドレッシング大さじ4を入れて絡める。
■ドレッシングの炊き込みご飯(2人分)
米2合を洗って炊飯器の内釜に入れ、「青じそ」や「レモン」などのサラサラ系ドレッシング大さじ5を加えたら、目盛まで水を入れる。鶏むね肉1枚(250g)をのせて炊飯。鶏肉を食べやすく切ってご飯と共に皿に盛る(とろみの強いドレッシングを使いたい場合は、大さじ4に)。
柚子こしょうの徹底活用レシピ

柚子こしょうといえば、うどんやおでんの風味づけにピッタリだが、炒め物の味付けやパスタ、サラダのドレッシングにもおすすめ!
■柚子こしょうバター(作りやすい分量)
バター大さじ2、柚子こしょう小さじ1をよく混ぜる。肉や魚のソテーにつけたり、食パンにぬってトーストにしたりするのもおすすめ。
豆板醤の徹底活用レシピ

「『ピリ辛オーロラソース』を作っておくと便利。サラダチキンやゆでエビなどと和えたり、はんぺんにぬってピザ用チーズをかけ、ラップをせずに600Wの電子レンジで2分加熱したりしてもおいしいですよ」。はんぺんに塗る場合は、6等分に切ってオーブントースターで焼いても美味だとか。試してみてほしい。
■ピリ辛オーロラソース(作りやすい分量)
豆板醤・ケチャップ各大さじ1、マヨネーズ大さじ2を混ぜる。
■豆板醤の辛みそ(作りやすい分量)
豆板醤・砂糖・ごま油各大さじ1、みそ50g、おろしにんにく小さじ1を混ぜる。きゃべつなどの野菜につけたり、炒め物の味付けにしたりするとおいしい。
■豆板醤の辛みそチャーハン(1人分)
フライパンにサラダ油小さじ2を熱し、溶き卵1個を流し入れたら、すぐにご飯200gを加えて炒める。全体がなじんだら、上記で紹介した「豆板醤の辛みそ」大さじ1、刻みねぎ大さじ2を加えて炒め合わせる。
わさびの徹底活用レシピ

わさびのつんとした辛みが苦手な人は、『わさびミルク(豆乳)うどん』がおすすめ。意外な組み合わせだが、辛みがマイルドになって食べやすくなる。
■わさびミルク(豆乳)うどん(1人分)
わさび大さじ1、塩小さじ1/2、ごま油大さじ1、牛乳1カップ、かつお節1パック(2g)を混ぜて小鍋で温めたら、600Wの電子レンジで表示通り加熱した冷凍うどん1パックにかける。お好みで小ねぎ適量をかける。
■わさびドレッシング2種(作りやすい分量)
サラダ油大さじ2、しょうゆ大さじ1、わさび・レモン汁各小さじ1を混ぜる。あるいは、わさび小さじ1、ポン酢大さじ2、サラダ油大さじ1を混ぜる。いずれも、アボカド、カルパッチョ、トマト、セロリ、たこ等のマリネなどに合う。
からし(マスタード)の徹底活用レシピ

「からしが大量に余ったら、『からし酢みそ』を作っておきましょう。刺身やゆでタコ、ゆで野菜、ゆで豚、おでんなどにあいますし、同量のマヨネーズと混ぜてドレッシングにすると活躍の場がもっと広がります。また、ご飯150gに『からし酢みそ』小さじ2、しらす適量を混ぜておにぎりにしてもおいしいですよ」
■からし酢みそ(作りやすい分量)
みそ大さじ4、砂糖・酢各大さじ2、チューブからし小さじ1を混ぜる。
■ハニーマスタードソース(作りやすい分量)
粒マスタード・マヨネーズ各大さじ2、はちみつ・しょうゆ各大さじ1 を混ぜる。肉や魚のソテーなどにかけていただく。
■豚肉のマスタード煮(2人分)
フライパンにサラダ油小さじ2を熱し、塩小さじ1/2を振ったとんかつ用肉2枚を入れて2分焼いたら裏返し、玉ねぎの薄切り1/4個分を入れてさっと炒める。水1カップ、マスタード大さじ4、ざく切りのきゃべつ1/4個分を入れて約15分煮る。キッチンばさみなどで豚肉を食べやすく切って盛り付ける。
■さばのマスタード焼き(2人分)
骨なしの塩さば 2枚は半分に切り、それぞれの身にマスタードをたっぷりとぬり、パン粉適量をまんべんなくふったら、オーブントースターで8~10分焼く。加熱すると辛味がとび、風味だけが残るので、辛みが苦手な人でも食べやすい。
ナンプラーの徹底活用レシピ

「くせのあるナンプラー。においが気になるなら、レモン果汁を混ぜると食べやすくなり、うま味も引き立ちます」
■エスニック照り焼き(1人分)
ナンプラー・レモン果汁・砂糖各大さじ1、おろしにんにく少々を混ぜたら、豚肉や鶏肉、魚などをフランスパンで焼いて、たれをからめる。
■エスニックドレッシングあえ(作りやすい分量)
ナンプラー・レモン果汁各大さじ2、砂糖・お好みの油各大さじ1/2、一味唐辛子少々を混ぜ、トマトや千切り野菜、戻してしぼった切り干し大根などにあえる。
スイートチリソースの徹底活用レシピ

実は和食にも合うというスイートチリソース。いつものおかずの味に飽きたら挑戦してみてほしい。
■ちくわのチリソース炒め(2人分)
フライパンにサラダ油小さじ2を熱し、ちくわ4本、斜め薄切りにした長ねぎ1/3本を加えて2分炒めたら、スイートチリソース大さじ2、ケチャップ ・水各大さじ1を入れてさらに炒め合わせる。
■スイートチリきのこきんぴら(2人分)
しめじ1パックはいしずきを切ってほぐし、えりんぎ1本は長さを半分に切って薄切りにし、サラダ油大さじ1を熱したフライパンに入れて、しんなりするまで炒める。しょうゆ大さじ1、スイートチリソース大さじ2を入れてからめる。
◆教えてくれたのは:国際中医学薬膳師・大友育美さん

料理研究家、フードコーディネーター。身近な食材を使った作りやすく、体にやさしい料理が好評。著書に『いたわり発酵ごはん 不調しらずの体をつくるおいしい薬膳の知恵』(マイナビ出版)など多数。Instagram/ikumi_otomo
取材・調理・コーディネート・撮影/番匠郁