
春巻きといえば、肉や野菜を炒めた「あん」を巻いたものが一般的だが、手間がかかるため家庭で作るのは難しいと敬遠されがち。しかし、具材を工夫すれば、下ごしらえいらずで簡単に。芸人のハリセンボン・近藤春菜さん(42才)に、そのコツを実践した春巻き作りにチャレンジしてもらった!おかず、おつまみ、おやつにもなる進化系春巻きを試してみよう。
春巻きって自由なんです!
「春巻きってもっと難しいと思っていました」と春菜さん。
「春巻きの皮で巻いて揚げれば、どんなものも春巻きです。油で揚げると中の具は蒸されて火が通るので、野菜は甘みが増しますよ」と話すのは今回のレシピを考案した料理家の夏井景子さん。

「うどとじゃがいもの春巻きは、うどのシャキシャキ、じゃがいものホクホク、皮のパリパリが絶妙。麦みそ風味で料理として完成しているので、タレが必要ないのも◎。これからもっといろいろな組み合わせを試して、春巻きパーティーしようかな!」(春菜さん・以下同)。
パリッサクッと仕上げるポイント
春巻き作りの3つのポイントをチェック!
具材をのせる位置が重要

春巻きの皮は、ザラザラした裏面に具材を置く。皮の下半分の位置に具材をのせると巻きやすい。
空気を入れずに包んで止める

ひと巻きしたら具材を手前に寄せて空気を抜き、左右を内側に折って巻く。

巻き終わりと、さらに上からも水を少量つけてとめる。
油に入れたら触れずにがまん!

皮を破かないよう、油に入れたら2分ほどは触らない。

皮がほんのり色づいたら裏に返す。揚がったらバットに立てるように置くと、皮の中の油もしっかり切れる。
「スナップエンドウとチーズの春巻き」のレシピ
皮から透けて見える大葉が味と見た目のアクセントに!
「クリームチーズとなめたけの相性がばっちり。白ワインと合いそう!」

《材料》(2人分・4本)
春巻きの皮…4枚 スナップえんどう…4本 なめたけ…大さじ4 クリームチーズ…大さじ2強 大葉…4枚 揚げ油…適量
《作り方》
【1】スナップえんどうは筋をとっておく。
【2】春巻きの皮はひし形に置き、奥に大葉をのせる。
【3】手前にクリームチーズ、スナップえんどうをのせて、その上になめたけをのせる。
【4】【3】の具材を手前の皮で包み、左右の角を内側に折り、巻いていく。とじ目に水をつけてしっかりとめる。
【5】170℃の油で4~5分、きつね色になるまで揚げる。
<キャプ>「スナップえんどうが軸になって巻きやすい!」(春菜さん)
《Point》

大葉は奥にのせて一重巻きにすることで、彩りがよくなる。
「うどとじゃがいもの春巻き」のレシピ
うどのほろ苦さで春を感じて。

《材料》(2人分・4本)
春巻きの皮…4枚 うど…1/3本 じゃがいも…1個 みそ…小さじ1 揚げ油…適量
《作り方》
【1】うどとじゃがいもはそれぞれ皮をむいて4cmの長さに千切りする。うどは酢水(分量外)、じゃがいもは水にさらしてからザルにあげ、水気をしっかり拭く。
【2】春巻きの皮の手前にみそを塗り、【1】のうどと、じゃがいもを並べて巻く。
【3】170℃の油で4~5分、きつね色になるまで揚げる。
《Point》

春巻きの皮にみそを塗ることでしっかりした味わいに。甘みのある麦みそがおすすめ。
「鶏ひき肉ともやしの麻婆風春巻き」のレシピ
花椒が香る、ちょっぴりシビ辛。
「冷めてもパリパリ、お弁当に入れてほしい!」

《材料》(2人分・4本)
春巻きの皮…4枚 鶏ひき肉…80g もやし…40g(約1/5袋) 長ねぎ…1/3本 花椒(なければ山椒)・塩…各適量 揚げ油…適量
《作り方》
【1】もやしはさっと洗い、ふんわりラップをかけて30~40秒電子レンジで加熱したらザルにあげ、粗熱をとる。
【2】春巻きの皮に鶏ひき肉をひろげ、【1】のもやしと長ねぎの小口切りを上に置き、塩と花椒をふってから巻く。
【3】170℃の油で4~5分揚げる。
《Point》

1本につき15g程度のひき肉なら、揚げている間にしっかり火が通ってジューシーに仕上がる。
「どうしても火の通りが心配な人は、ひき肉を炒めてから巻いてもOKです」(夏井さん)。
「鯖缶とキャベツのカレー風味春巻き」のレシピ
シャキシャキ食感が楽しい。
「鮭缶とキャベツ&コーンの甘み、カレー粉の風味が合う~!」

《材料》(2人分・4本)
春巻きの皮…4枚 鮭水煮缶…1缶 キャベツの葉…小2枚(約60g) とうもろこし缶…1/3缶(約40g) カレー粉…小さじ1 揚げ油…適量
《作り方》
【1】キャベツはせん切りにする。鮭缶ととうもろこし缶はそれぞれザルにあげ水気をしっかり拭いておく。
【2】春巻きの皮に【1】のキャベツ、鮭缶、とうもろこしを順に重ね、最後にカレー粉をふってから巻く。
【3】180℃の油で3分ほどきつね色になるまで揚げる。※加熱するとキャベツから水分が出てくるので、短時間で揚げること。
《Point》

パリッと揚げるためには具材の水気は厳禁。キッチンペーパーで丁寧に拭いておこう。
「鮭以外の魚の缶詰やベーコン、ハムに変えてもおいしくできますよ」(夏井さん)
「チータラにんじん」のレシピ
塩気のある珍味と野菜は好相性!

《材料》(2人分・4本)
春巻きの皮…4枚 チータラ…60g にんじん…1/3本 揚げ油…適量
《作り方》
【1】にんじんは皮をむき、4cmの長さにせん切りにする。チータラは3cmの長さに切る。(※チータラはスティック状のチーズをタラなどのすり身ではさんだおつまみ。ソフトさきいかなどの珍味でも可)
【2】春巻きの皮に【1】をのせてしっかりと巻く。
【3】170℃の油で4~5分きつね色になるまで揚げる。
《Point》

塩分のあるチータラは、にんじんよりも短くすると味のバランスが取りやすくなる。
「サラダチキン&キューちゃん」のレシピ
漬物が調味料代わりになる。

《材料》(2人分・4本)
春巻きの皮…4枚 サラダチキン…60g パプリカ…1/2個 きゅうりのキューちゃん(漬物)…大さじ1と1/2 揚げ油…適量
《作り方》
【1】サラダチキンは4cm長さのスティック状を目安に、食べやすいサイズに切る。パプリカは1cm角に切り、きゅうりのキューちゃんは細かく刻む。
【2】春巻きの皮に【1】のサラダチキン、パプリカ、キューちゃんを並べて巻く。
【3】180℃の油で3分ほどきつね色になるまで揚げる。
《Point》

サラダチキンは春巻きの仕上がりサイズより1~2cm短めに、味の濃い漬物は細かく刻むと◎。
「あんずとあんこのおやつ春巻き」のレシピ
パリパリ食感のあまーいおやつ。

《材料》(小さめの春巻き6本分)
春巻きの皮…3枚 こしあん…90g ドライフルーツ(あんず)…30g 揚げ油…適量
《作り方》
【1】好みのドライフルーツを小さく切る。春巻きの皮を対角線上に半分に切る(三角形にする)。
【2】直角三角形の底辺が手前になるように置き、あんこを細めの棒状にして手前に横にして置き、【1】をのせて巻く。
【3】180℃の油でさっと揚げる。
《Point》

具を少なめにする場合は三角形に切ってから巻く。通常より皮の重なりが増え、パリパリ感がUP!
◆芸人・近藤春菜
箕輪はるかと2003年にコンビを結成。2007年と2009年に『М-1グランプリ』で決勝進出。YouTubeチャンネル『ハリセンボン公式チャンネル』は毎週金曜日18時に配信中。
◆教えてくれたのは:料理研究家・夏井景子さん
製菓の専門学校を卒業後、ベーカリー、カフェで働き独立。季節の野菜を使った少人数制の料理教室を主宰している。
撮影/菅井淳子 料理・スタイリング/夏井景子 ヘアメイク/谷口友海 スタイリスト/壽村太一 取材・文/山下和恵
※女性セブン2025年5月22日号