料理・レシピ

《食費の節約に》捨てがちな食材の活用テク&レシピ「米のとぎ汁は洗顔料から掃除まで幅広く活用」「卵の殻は研磨剤・漂白剤に」「コーヒーがらは消臭剤に」

米とぎ
米のとぎ汁など捨てがちな食材の活用テク&レシピを紹介(写真/イメージマート)
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食材費が高止まりしているいま、貴重な食材は少しも無駄にしたくないもの。「野菜の皮や芯、茎、しいたけの軸などには、栄養や旨みがたっぷり含まれています」「野菜の皮や種、葉、茎、芯などの“食材の端っこ”部分は調理次第でおいしく食べられます」と料理研究家の大友育美さん。料理上手が知るそれら“隠れ食材”を活用すれば、節約につながるだけでなくゴミも減る。しかし、普段は捨てている部分だけにどう活用すればいいかわからない――。そんな人こそ必読のテクとは? 野菜の種や葉っぱ、米のとぎ汁、しいたけの軸などの活用を紹介する。

※レシピで電子レンジは600W。特記がない場合は、作りやすい分量。めんつゆは3倍濃縮を使用。

野菜の種・その他

まずは野菜の種・その他の活用を紹介する。

【ピーマンの種】種を取らなければ調理の時短に

●丸ごとピーマンとツナのおひたし(大友さん)

【1】ピーマンは手で全体を握って割れ目を入れ、耐熱容器に入れる。

【2】めんつゆ(3倍濃縮)・ツナ缶各適量を加え、ラップをして電子レンジで5分加熱する。

POINT「ピーマンの種は小さいので、市販のミートソースやカレーなどに加えて加熱すると、混ざっているのがわからなくなるほどです。そもそも栄養価が高いので種は取らずに調理するのがおすすめ。

ピーマンの肉詰めであれば、ピーマンを縦半分に切って種をつけたまま肉だねを詰めれば、粉をふらなくても種に引っかかってはがれず、調理の時短にもなります」

【かぼちゃのワタ・種】食物繊維が豊富なので捨てるのはもったいない!

●かぼちゃのワタのポタージュ(大友さん)

【1】耐熱容器に有塩バター5gを入れ、電子レンジで20秒加熱して溶かす。

【2】【1】に薄力粉小さじ2、コンソメ小さじ1/2を加えて混ぜ、牛乳1カップを加えてさらによく混ぜる。かぼちゃのワタ1/4個分(種は取る)を加え、電子レンジで2分加熱したらハンドミキサーなどで混ぜ合わせ、さらに1分加熱し、最後にこしょう適量で味を調える。

かぼちゃのワタのポタージュ
かぼちゃのワタのポタージュ(イラスト/うえだのぶ)
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●かぼちゃの種のロースト(大友さん)

【1】かぼちゃの種はふっくらしたものを選び、洗って水気を拭く。

【2】【1】をアルミ箔に広げ、オーブントースター弱(350W程度)で15分ほど焼く。お好みで塩などで調味を。

【ブロッコリーの茎】房よりも淡泊な味で青臭さもナシ!

●ブロッコリーの茎とメンマの和え物(2人前)(料理家・佐々木麻衣さん)

【1】ブロッコリーの茎1本分は中心の白い部分を残すように皮を包丁でそぎ落とし、幅1cmほどの短冊形に切る。

【2】耐熱ボウルに【1】を入れてふんわりとラップをし、電子レンジで1分加熱する。

【3】【2】に味付きメンマ40g、ごま油適量を加えて混ぜる。

ブロッコリーの茎とメンマの和え物
ブロッコリーの茎とメンマの和え物(イラスト/うえだのぶ)
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POINT「食感を残すため、少し硬めに火を通すのがおすすめ。メンマのような食感のよい食材と合わせるとバランスがよく、食べ応えもアップします。繊維が気になる場合はブレンダーで細かくして、スープにしてもいいでしょう」

【なすのへた】表面のトゲを取って、薄く切ればおいしく食べられる

●なすのへたのしそびたし(大友さん)

【1】なすのへた2本分は食べやすい長さの細切りにする。

【2】耐熱容器に【1】、赤しそふりかけ(ゆかり)小さじ2、ごま油・白ごま各小さじ1を入れて混ぜる。

【3】ラップをかけて電子レンジで1分30秒加熱し、そのまま1分蒸らす。

なすのへたのしそびたし
なすのへたのしそびたし(イラスト/うえだのぶ)
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【そら豆のさや】ほんのり甘いワタまでおいしく食べられる!

●そら豆のさやディップ(大友さん)

【1】ゆでたそら豆のさやは、やわらかいものを選んでみじん切りにする。

【2】【1】にクリームチーズ4個を混ぜ合わせ、塩・こしょう各少量、粗みじん切りにしたナッツ適量を加える。

【ゴーヤーのワタ】苦みが少なく加熱すればやわらかい

●ゴーヤーのワタのおひたし(大友さん)

【1】ゴーヤーのワタ1本分から種を取り除き、ワタだけざく切りに。

【2】【1】を耐熱容器に入れ、めんつゆ(3倍濃縮)・水各大さじ1を加えたら、ラップをかけて電子レンジで2分30秒加熱。

【すいかの皮の白い部分】食感がよく、みずみずしい。夏にぴったりの漬けものに

●すいかの白皮のレモン漬け(大友さん)

【1】すいかの皮の白い部分1/4個分(300g)は長さ4ccm×厚さ5㎜に切る。

【2】【1】を保存袋に入れ、2%の塩(300gの場合6g)をふって混ぜる。レモンの輪切り3枚を入れる。

【3】冷蔵庫で30分漬けたら、軽く水気を絞って器に盛る。

POINT「すいかの白い部分を使うときは、緑の硬い皮をピーラーなどで厚めにむきましょう。赤い実の部分を少し残しておくと、色みも味わいもよくなります」

【枝豆のさや】香ばしく揚げてビールのおつまみに!

●枝豆のさや揚げ(大友さん)

【1】ゆでた枝豆のさやひとつかみは、内側の硬い膜を取ってポリ袋に入れる。

【2】片栗粉大さじ1をまぶし、中温の油でカリッとするまで揚げたら、塩少量をふる。

枝豆のさや揚げ
枝豆のさや揚げ(イラスト/うえだのぶ)
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野菜の葉

ここからは野菜の葉の活用を紹介する。

【大根の葉】卵焼きやチャーハンの具材などにも大活躍

●大根の葉のごま油風味おひたし(2人前)(佐々木さん)

【1】大根の葉1本分(100g)は2cm幅に切る。

【2】耐熱ボウルに【1】を入れ、ラップをして電子レンジで2分加熱する。

【3】鶏ガラスープの素小さじ1/2、塩少量、ごま油適量を加えて混ぜる。「味にクセがないので、卵焼きやチャーハンのかさましにもおすすめ」。

【にんじん】葉の独特の香りが料理の風味をより際立たせる

●葉ごとにんじんのかき揚げ(2人前)(佐々木さん)

【1】にんじんの葉100gはざく切り、にんじん1/4本は細切り、玉ねぎ1/4個は薄切りにする。

【2】天ぷら粉60gを水80mlで溶き、【1】をすべて加えて混ぜ、2等分に分ける。

【3】180℃に熱したサラダ油に【2】を入れ、両面がきつね色になるまで3分ほど揚げる。

「にんじんの葉には独特の香りがあるので、苦手でなければサラダやおひたしにするのもおすすめ」。

【かぶ】食感を生かして炒め物やナムルにも最適

●かぶの葉の浅漬け(2人前)(佐々木さん)

【1】かぶ3個分の葉は3cm幅に切り、塩小さじ1/2を加えて混ぜたら5分置く。

【2】袋に水気を切った【1】、酢・しょうゆ・砂糖各小さじ1/2を入れてもみ、冷蔵庫で2時間以上置く。

POINT「乾燥して変色すると使えなくなるので、傷む前に細かく刻み、保存袋に入れて冷凍しておくと日持ちします」

【セロリ】独特の香味を生かしてカレーや餃子の具材にも◎

●セロリの葉の薬味(佐々木さん)

【1】セロリの葉2本分はざく切りにする。みょうが1個はせん切りにする。

【2】フライパンでごま油大さじ2を熱し、セロリの葉がしんなりするまで炒める。

【3】【2】が冷めたら、みょうがと塩ひとつまみを入れて和える。冷奴、刺し身や肉料理などにのせて食べる。

●セロリの葉の薬味
セロリの葉の薬味(イラスト/うえだのぶ)
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その他の食材

ここからは米のとぎ汁などその他の食材の活用法をピックアップ。

【米のとぎ汁】洗顔料から掃除まで幅広く活用

「米のとぎ汁には肌にいい成分(ビタミンB、E、セラミドなど)が含まれているため、洗顔や入浴剤にぴったり。顔を洗うときは適量をぬるま湯に混ぜ、肌を軽くマッサージしながら塗って洗い流します。油を吸着する性質があるので、食器洗いや台所の掃除にも活用できます」(省エネ生活研究家・アズマカナコさん)

●とぎ汁漬け(大友さん)

【1】米のとぎ汁(濃いめ)1カップ、塩小さじ1を保存袋に入れ、食べやすく切ったキャベツ2枚と、しょうがの薄切り2枚をせん切りにしたものを加えてもみ混ぜる。

【2】1日室温に置き、その後冷蔵庫で1日置く。ほんのり酸味が出たら漬けあがり。

とぎ汁漬け
とぎ汁漬け(イラスト/うえだのぶ)
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【茶葉】お茶パウダーにすれば栄養分を丸ごと摂取できる

「使用前の茶葉をミルやすり鉢で粉末にして湯に溶かすと、少量でも味の濃いお茶に。茶がらが出ず、栄養分も丸ごと摂れます。茶がらにも栄養分が残っているので、ガーゼなどに包んで入浴剤にするのもおすすめ。香りや成分には消臭効果があり、乾燥させれば消臭剤、土に混ぜれば肥料にもなります」(アズマさん)

【しいたけの軸】旨み成分の塊! 揚げ物に混ぜても◎

●しいたけの軸のバタポン和え(2人前)(佐々木さん)

【1】しいたけ6個分の軸を割き、バター10gと耐熱ボウルに入れ、ラップをして電子レンジで1分加熱する。

【2】【1】にポン酢小さじ1を加えて混ぜる。

POINT「水分が少ないので揚げ物にも最適。すぐに調理しない場合は軸を割いてから冷凍保存を。きのこ類は冷凍すると旨みが増します」

【コーヒーがら】消臭剤や害虫除け、猫除け、雑草予防にも使える!

「コーヒーがらの粒子には小さな穴があいていて、においを吸着してくれます。乾燥させれば、消臭剤代わりになるので、下駄箱やトイレなどに置いておくといいでしょう。においがついて落ちない保存容器に、しばらく入れてから洗い流すのもおすすめ。野良猫や虫などが寄りつかなくなったり、植物の生長を阻害したりする効果もあるので、野良猫のフン被害がある場所、害虫が出る場所、雑草が生える場所にまいて」(アズマさん)

【卵の殻】細かく砕けば研磨剤・漂白剤として大活躍!

「細かく砕いた卵の殻と少量の水を、水筒や調味料の瓶といった底が洗いにくいものに入れてよくふると、水垢や茶渋が落ちやすくなります(プラスチック製品は傷つきやすいのでNG)。ふきんと卵の殻を水に入れ、一緒に煮立たせると、炭酸カルシウムの効果で漂白できます(ただし、市販の漂白剤より効果は弱い)」(アズマさん)

◆国際中医・薬膳師・大友育美さん

料理研究家、フードコーディネーター。著書に『いたわり発酵ごはん 不調しらずの体をつくるおいしい薬膳の知恵』(マイナビ出版)など。

◆料理家・佐々木麻衣さん

食品ロス削減コンサルタント・冷蔵庫収納スペシャリストとして、食材保存、冷蔵庫収納、冷凍貯金の講座・講演、親子で楽しめる畑の収穫体験の運営などを行う。

◆省エネ生活研究家・アズマカナコさん

エネルギーや環境負荷の少ない暮らしを追求し実践。著書に『電気代500円。贅沢な毎日』(CEメディアハウス)、『捨てない贅沢』(けやき出版)など。

取材・文/番匠郁

※女性セブン2025年5月22日号

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