
食材費が高止まりしているいま、貴重な食材は少しも無駄にしたくないもの。「野菜の皮や芯、茎、しいたけの軸などには、栄養や旨みがたっぷり含まれています」「野菜の皮や種、葉、茎、芯などの“食材の端っこ”部分は調理次第でおいしく食べられます」と料理研究家の大友育美さん。料理上手が知るそれら“隠れ食材”を活用すれば、節約につながるだけでなくゴミも減る。しかし、普段は捨てている部分だけにどう活用すればいいかわからない――。そんな人こそ必読のテクとは? 野菜の種や葉っぱ、米のとぎ汁、しいたけの軸などの活用を紹介する。
※レシピで電子レンジは600W。特記がない場合は、作りやすい分量。めんつゆは3倍濃縮を使用。
- 野菜の種・その他
- 【ピーマンの種】種を取らなければ調理の時短に
- 【かぼちゃのワタ・種】食物繊維が豊富なので捨てるのはもったいない!
- 【ブロッコリーの茎】房よりも淡泊な味で青臭さもナシ!
- 【なすのへた】表面のトゲを取って、薄く切ればおいしく食べられる
- 【そら豆のさや】ほんのり甘いワタまでおいしく食べられる!
- 【ゴーヤーのワタ】苦みが少なく加熱すればやわらかい
- 【すいかの皮の白い部分】食感がよく、みずみずしい。夏にぴったりの漬けものに
- 【枝豆のさや】香ばしく揚げてビールのおつまみに!
- 野菜の葉
- 【大根の葉】卵焼きやチャーハンの具材などにも大活躍
- 【にんじん】葉の独特の香りが料理の風味をより際立たせる
- 【かぶ】食感を生かして炒め物やナムルにも最適
- 【セロリ】独特の香味を生かしてカレーや餃子の具材にも◎
- その他の食材
- 【米のとぎ汁】洗顔料から掃除まで幅広く活用
- 【茶葉】お茶パウダーにすれば栄養分を丸ごと摂取できる
- 【しいたけの軸】旨み成分の塊! 揚げ物に混ぜても◎
- 【コーヒーがら】消臭剤や害虫除け、猫除け、雑草予防にも使える!
- 【卵の殻】細かく砕けば研磨剤・漂白剤として大活躍!
野菜の種・その他
まずは野菜の種・その他の活用を紹介する。
【ピーマンの種】種を取らなければ調理の時短に
●丸ごとピーマンとツナのおひたし(大友さん)
【1】ピーマンは手で全体を握って割れ目を入れ、耐熱容器に入れる。
【2】めんつゆ(3倍濃縮)・ツナ缶各適量を加え、ラップをして電子レンジで5分加熱する。
POINT「ピーマンの種は小さいので、市販のミートソースやカレーなどに加えて加熱すると、混ざっているのがわからなくなるほどです。そもそも栄養価が高いので種は取らずに調理するのがおすすめ。
ピーマンの肉詰めであれば、ピーマンを縦半分に切って種をつけたまま肉だねを詰めれば、粉をふらなくても種に引っかかってはがれず、調理の時短にもなります」
【かぼちゃのワタ・種】食物繊維が豊富なので捨てるのはもったいない!
●かぼちゃのワタのポタージュ(大友さん)
【1】耐熱容器に有塩バター5gを入れ、電子レンジで20秒加熱して溶かす。
【2】【1】に薄力粉小さじ2、コンソメ小さじ1/2を加えて混ぜ、牛乳1カップを加えてさらによく混ぜる。かぼちゃのワタ1/4個分(種は取る)を加え、電子レンジで2分加熱したらハンドミキサーなどで混ぜ合わせ、さらに1分加熱し、最後にこしょう適量で味を調える。

●かぼちゃの種のロースト(大友さん)
【1】かぼちゃの種はふっくらしたものを選び、洗って水気を拭く。
【2】【1】をアルミ箔に広げ、オーブントースター弱(350W程度)で15分ほど焼く。お好みで塩などで調味を。
【ブロッコリーの茎】房よりも淡泊な味で青臭さもナシ!
●ブロッコリーの茎とメンマの和え物(2人前)(料理家・佐々木麻衣さん)
【1】ブロッコリーの茎1本分は中心の白い部分を残すように皮を包丁でそぎ落とし、幅1cmほどの短冊形に切る。
【2】耐熱ボウルに【1】を入れてふんわりとラップをし、電子レンジで1分加熱する。
【3】【2】に味付きメンマ40g、ごま油適量を加えて混ぜる。

POINT「食感を残すため、少し硬めに火を通すのがおすすめ。メンマのような食感のよい食材と合わせるとバランスがよく、食べ応えもアップします。繊維が気になる場合はブレンダーで細かくして、スープにしてもいいでしょう」
【なすのへた】表面のトゲを取って、薄く切ればおいしく食べられる
●なすのへたのしそびたし(大友さん)
【1】なすのへた2本分は食べやすい長さの細切りにする。
【2】耐熱容器に【1】、赤しそふりかけ(ゆかり)小さじ2、ごま油・白ごま各小さじ1を入れて混ぜる。
【3】ラップをかけて電子レンジで1分30秒加熱し、そのまま1分蒸らす。

【そら豆のさや】ほんのり甘いワタまでおいしく食べられる!
●そら豆のさやディップ(大友さん)
【1】ゆでたそら豆のさやは、やわらかいものを選んでみじん切りにする。
【2】【1】にクリームチーズ4個を混ぜ合わせ、塩・こしょう各少量、粗みじん切りにしたナッツ適量を加える。
【ゴーヤーのワタ】苦みが少なく加熱すればやわらかい
●ゴーヤーのワタのおひたし(大友さん)
【1】ゴーヤーのワタ1本分から種を取り除き、ワタだけざく切りに。
【2】【1】を耐熱容器に入れ、めんつゆ(3倍濃縮)・水各大さじ1を加えたら、ラップをかけて電子レンジで2分30秒加熱。
【すいかの皮の白い部分】食感がよく、みずみずしい。夏にぴったりの漬けものに
●すいかの白皮のレモン漬け(大友さん)
【1】すいかの皮の白い部分1/4個分(300g)は長さ4ccm×厚さ5㎜に切る。
【2】【1】を保存袋に入れ、2%の塩(300gの場合6g)をふって混ぜる。レモンの輪切り3枚を入れる。
【3】冷蔵庫で30分漬けたら、軽く水気を絞って器に盛る。
POINT「すいかの白い部分を使うときは、緑の硬い皮をピーラーなどで厚めにむきましょう。赤い実の部分を少し残しておくと、色みも味わいもよくなります」
【枝豆のさや】香ばしく揚げてビールのおつまみに!
●枝豆のさや揚げ(大友さん)
【1】ゆでた枝豆のさやひとつかみは、内側の硬い膜を取ってポリ袋に入れる。
【2】片栗粉大さじ1をまぶし、中温の油でカリッとするまで揚げたら、塩少量をふる。
