専門医が伝授!今日からできる紫外線予防&ケア
ヒリヒリして痛い、充血する、視力が低下…。紫外線は浴びるほどにさまざまな症状を引き起こし、深刻化させる。手遅れになる前に私たちがやるべきこととは──。
目の細胞はむき出し!日焼けしやすい
「角膜(黒目の部分)や結膜(白目の部分)は粘膜でできており、皮膚のように角質で守られていません。つまり、“むき出しの生きた細胞”。ですから、紫外線の影響をダイレクトに受けやすいのです」
とは、杏林大学医学部眼科学教室教授の山田昌和さんだ。紫外線によって目の細胞が傷つくと、充血したり、目の中がゴロゴロするような違和感が出たりする。症状が重い場合は角膜がはがれることもある。これが“目の日焼け”で、日中に紫外線を浴びた場合、夜には症状が出る。
「軽症では自然治癒するケースがほとんどですが、2~3日は痛みや違和感が続きます。涙が出たり、まぶしくて目を開けていられないほどになります」(山田さん・以下同)
紫外線を浴び続けると、慢性的な症状も引き起こす。
「白目に黄色っぽい膨らみができる“瞼裂斑”や、黒目に膜がかぶさる“翼状片”は、慢性的な目の日焼けによる疾患です。物が見えにくくなるため視力が低下し、見た目にも影響します。白内障の発症にも紫外線が関係していますし、悪性黒色腫という目のがんにつながる恐れもあります」

目が日焼けしやすいかどうかは個人差もあるが、色白で色素が薄い人ほど注意が必要だという。
「〈太陽光の強さと量×浴びた時間〉で症状の現れ方に差があり、地域や職業によっても症状の度合いは異なります。 沖縄で屋外での仕事に就いている人の約3割が翼状片を発症しています」
特に日中の10~14時の間は紫外線が強い。直接浴びるのはもちろん、照り返しを受けてもかなりの影響を及ぼす。
「10~20分程度の外出ではそれほど気にする必要はありませんが、30分以上屋外で過ごす場合は帽子や日傘、サングラスを組み合わせて予防することが重要。
大人になってから現れる目の病気は、子供の頃に浴びた紫外線の蓄積が原因のことも多いので、日常的な予防が大切です」