健康・医療

《悪化すると失明リスクも》「目の日焼け」対策を眼科医が解説 サングラス、日傘、食べ物、目薬でどう守る?

【予防1】サングラスの選び方

レンズは色が薄い方が紫外線をカットする

目を紫外線から守るために最も効果的なのがサングラスだ。しかし日本におけるサングラスの着用割合は欧米に比べて低く、5割弱というデータもある。

「日本では濃い色のレンズをかけている人が多いですが、これだと瞳孔が開いて、かえって紫外線を多く取り込んでしまいます。レンズの色は薄くUVカット率99%以上のものを選ぶのが鉄則です」

とは、アイリスター麻布クリニック院長の西之原美樹さん(以下同)。

さらに、形やフィット感も重要だと続ける。

「紫外線は上からだけでなく、アスファルトや壁からの反射で横や下からも入り込むため、理想的なサングラスの形状は顔のサイドまで覆うゴーグル型です。顔にフィットしてズレにくく、重すぎないことも重要なポイント。コンタクトレンズは、UVカット機能のあるものもありますが、黒目しか覆えないため、サングラスと併用しましょう」

【サングラスの選び方】

・UVカット率99%以上のもの

・レンズの色が薄いもの

・サイドもカバーできるゴーグル型のもの

・グラグラせず、顔の形に沿っている

・かけていて負担にならない重さのもの

・自分の生活スタイルに合っているもの

大谷翔平
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手も、紫外線対策のためサングラスを着用。愛用しているのはフランスのブランド「ENGO Eyewear」のスマートグラス「ENGO 2」。値段は約4万~6万円と高めだが遮光性が高く、重さ36gと軽くて機能性抜群(写真/AP・アフロ)
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【予防2】日傘・帽子の選び方

すぐに使える携帯性も選ぶポイントに

日傘や帽子を活用するだけでも紫外線の約9割をカットできるという。

「効果をより高めたいなら、日傘は外側が白、内側が黒いものを。白は紫外線を反射し、黒は傘内に入る反射光を吸収してくれるからです。帽子はつばが7cm以上あるタイプが理想的です」(西之原さん・以下同)

どちらも必要なときにサッと使え、使わないときはコンパクトにできるものがおすすめだという。たとえば、日傘なら晴雨兼用、帽子なら丸めて携帯できるタイプが便利だ。

「曇っていても紫外線は強いので、日傘、帽子、サングラスは常に携帯、装着しましょう」

【予防3】紫外線対策に有効な栄養素

バランスのいい食事と充分な睡眠が大切

目の健康を守るには、サングラスや日傘、帽子で外側からケアするとともに、目の健康に効果的な栄養素を摂るといった、体の内側からのケアも大切だ。

「紫外線対策に有効な栄養素は、緑黄色野菜などに含まれる『ルテイン』です。紫外線を吸収し、目を保護する働きがあります。ほかにも、『ビタミンA』は疲れ目に、『ビタミンB1、B12』は視神経の保護や眼精疲労に、『ビタミンB1』は視力低下を防ぐ効果があります。『アントシアニン』は血行を促進して目の疲れを回復させ、『コンドロイチン』は角膜の修復・保湿に役立ちます」

紫外線で傷んだ目に必要な栄養素を含む食品の一覧
紫外線で傷んだ目に必要な栄養素を含む食品一覧
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これらの栄養素は基本的に食事から摂りたいが、夏は食欲が落ちる人もいるので、足りない場合はサプリメントを活用しよう。

「目を休ませるという意味で、睡眠も不可欠です」

理想は夜10時に就寝し、8時間眠ること。就寝前にスマホを見て目を酷使するのは絶対にやめよう。

【紫外線で傷んだ目に必要な栄養素を含む食品】

●ルテイン

ほうれん草、ブロッコリー、小松菜といった緑黄色野菜など。

●ビタミンA

うなぎ、レバー、にんじんなど。

●ビタミンB12

あさりなどの貝類や魚介類、レバー、卵などの動物性食品。

●ビタミンB1

豚肉、さば、大豆、えんどう豆、グリーンピース、きな粉など。

●ビタミンC

柑橘類、レモン、キウイフルーツ、赤・黄ピーマンなど。

●アントシアニン

ブルーベリーなどのベリー類、黒豆、なす、紫いもなど。

●コンドロイチン

納豆、オクラなどのネバネバ食材、ふかひれ、魚の煮こごりなど。