《100才まで正常に機能する腎臓と肝臓を維持するための「生活習慣」》運動はウォーキングなどの有酸素運動と筋トレ 食事では減塩に気をつけ、たんぱく質を摂りすぎない
麺類を食べた後は2分運動する
栗原クリニック東京・日本橋院長で肝臓専門医の栗原毅さんによると、肝臓は“年をとらない臓器”だという。
「子供の肝臓と病気のない100才の肝臓は、区別がつかないくらいどちらもきれいな見た目をしている。確かに機能は衰えますが、100年元気な肝臓にすることは不可能ではありません」(栗原さん・以下同)
そのためには、何より体を冷やさないことだ。
「暑いからといって冷えたものばかり口にせず、温かいものを意識的に口にすること。夜は湯船につかって、内臓をしっかり温めてください。体が温まると血行や代謝がよくなり、体も動きやすくなるので、脂肪肝の改善につながります」

食生活も見直して、脂肪肝の原因を取り除こう。食後の血糖値が急上昇・急降下する「血糖値スパイク」が起きると、肝臓に脂肪が蓄積されやすくなるので、血糖値の上昇をゆるやかにすることが大事だ。
「血糖値を安定させるためにおすすめなのは、70%以上の高カカオチョコレート。食前に5g食べてください。食事のときは大さじ1杯くらいの酢を納豆のタレの代わりにかけたり、お水で割って飲むのもいい。血糖値が上がりにくく、脂肪を減らしやすくなります。
食事はゆっくり30回噛んで食べること。麺類のように糖質が高い食事の後は、2分でいいので運動するといい。たんぱく質を摂って運動して筋肉を増やすことも大事です」
食後は歯磨きもしっかり行おう。
「歯周病になると炎症性サイトカインという物質が血液中に流れて、脂肪肝を悪化させる。起きた直後と就寝前はデンタルフロスも活用して、しっかり歯を磨いてください。舌磨きも1日1回は行いましょう」
ビタミンB群を忘れずに摂ってほしいと話すのは、浅部さんだ。
「肝臓が働くためにはビタミンB群が欠かせません。食事から摂るのがいちばんですが、忙しいときはサプリメントやドリンクで補うといいでしょう」
肝機能を低下させる悪習慣も覚えておこう。普段、何気なく口にしているものが、知らず知らずのうちにダメージを与えていることもある。
「乳酸飲料やスポーツ飲料も、体にいいと思って常に飲んでいると逆効果です。毎日果物をたくさん食べるのもよくない。果糖は脂肪肝の原因になります。甘いサワーや果実酒は、砂糖に類似した果糖ぶどう糖液糖が入っていることが多いのでよくありません」(栗原さん)
適切なケアをすれば、100年健康な腎臓と肝臓を維持することは不可能ではない。沈黙の臓器が騒ぎ出す前にできるところからやってみよう。

※女性セブン2025年8月14日号