暑い夏、「食欲があまりないから夕食は適当に…」と、なりがちだけれど、夜に何を食べるかによって、翌日のパフォーマンスが変わってくるという。そこで「食と健康のプロ」におすすめの食材を挙げてもらい、ポイントを集計。ランキング形式で“最強の夕食食品”を紹介。さらには、理想の夕食の献立も提案するので、健康な体作りに役立てて。
【1位】鶏肉(10点)
「精神疲労にも肉体疲労にも回復効果が期待できるイミダゾールジペプチドを多く含有している」(管理栄養士/健康検定協会・望月理恵子さん)、「筋肉は睡眠時に増えるためたんぱく質はしっかり摂りたい。なかでも鶏のささみは、油脂が少なく、寝ている間の消化も早く負担にならない」(トータルフードプロデューサー・小倉朋子さん)、「動物性たんぱく質として消化吸収率が高く良質なのは鶏肉」(内科医・谷本哲也さん)、「良質なたんぱく質が豊富。夜に食べれば寝ている間に丈夫な皮膚や粘膜、免疫細胞の原料となるべく体に吸収されやすい」(医師・関口由紀さん)
【2位】キムチ(8点)
「唐辛子に含まれるカプサイシンには寝つきをよくして精神を安定させる効果もあり夕食に摂るのはおすすめ」(脳神経外科医・菅原道仁さん)、「腸の活動が活発なのは22時から2時といわれている。そのときに乳酸菌が腸に行き渡るよう、夜食べるのがいい」(管理栄養士・中沢るみさん)
【2位】みそ(8点)
「摂るなら大豆由来のものを。女性ホルモンと同様の働きをするイソフラボンが自然と摂取できる」(管理栄養士・片村優美さん)、「栄養豊富で整腸作用に優れている万能食品。夜のみそ汁で体を温めてから眠れば質の高い睡眠が」(医師/秋葉原駅クリニック所属・佐々木欧さん)
【4位】ヨーグルト(7点)
「善玉菌を増殖させ、便秘改善に役立つ。カロリーも少なく、夜食べても罪悪感なし」(トータルフードプロデューサー・小倉朋子さん)、「含有するカルシウムは夜の方が吸収率が高まる」(管理栄養士・中沢るみさん)
【5位】納豆(6点)
「夜中から朝方にできやすい血栓を溶解する働きがあるナットウキナーゼが多い納豆を摂取しておくと、6~8時間にわたり血栓を分解して心筋梗塞、脳卒中などの予防につながる」(管理栄養士/健康検定協会・望月理恵子さん)
【6位】豚肉(5点)
「糖質をエネルギーに変換するのに必要なビタミンB1が豊富で、疲労回復効果が。翌日に疲れを残さないためにも夜にぜひ」(医師/秋葉原駅クリニック所属・佐々木欧さん)
【7位】サーモン(4点)
「サーモンの強い抗酸化力とたんぱく質は寝ている間に肌の細胞の再生を促してくれる」(管理栄養士・堀知佐子さん)
【8位】お酢(3点)
「酢酸には1日でたまった疲労を回復させる効果が。ただし、飲むのではなく調理に使うのがポイント。飲むお酢には糖質が多い」(管理栄養士/ダイエットカウンセラー・伊達友美さん)
【8位】ブロッコリー(3点)
「ミネラルやビタミンが豊富。夜は炭水化物を減らし、野菜とたんぱく質を中心に」(内科医・左藤桂子さん)
【8位】しょうが(3点)
「体を温めたり消化を促進したりする成分を多く含有するため、睡眠時の消化活動を助けてくれる」(管理栄養士・片村優美さん)
【8位】コーヒー(3点)
「香りのリラックス効果で深い睡眠に。夜に摂るならグアテマラコーヒーがイチオシ」(精神科医・古賀良彦さん)
【8位】ごぼう(3点)
「体内時計を休ませる効果があるほか、豊富な食物繊維で次の日の便通もよくなる」(医師/田中病院院長・田中優子さん)
【8位】牛乳(3点)
「牛乳や乳製品摂取量が多い人ほど、フレイルになりにくい。カルシウム吸収率が高い夜にぜひ」(管理栄養士/健康検定協会・望月理恵子さん)
【8位】ほうれん草(3点)
「含有するルテインは血圧を下げる作用があると報告されており、脳卒中、心筋梗塞を予防する効果が。血栓が作られやすい夜こそ摂取を」(医師/AGEクリニック院長・牧田善二さん)
【8位】さば・かつお(3点)
「脳の働きを活性化させるDHAやEPAは夜の方が吸収率が高い。昼食に牛肉を食べ、アラキドン酸を摂っておくとさらに効果的」(精神科医・古賀良彦さん)
【8位】チーズ(3点)
「含有するカルシウムは夜の方が吸収しやすいとされている。共に含むビタミンB群も、一日の疲労回復を助ける効果が」(トータルフードプロデューサー・小倉朋子さん)
【8位】とろの刺身(3点)
「新鮮なとろの刺身には筋肉を作る材料である必須アミノ酸が豊富。刺身は低カロリーで体に負担がかからないため夕食に採り入れたい」(医師/西台クリニック院長・済陽高穂さん)
”夜に食べるといい”最強の夕食献立
「最強の夕食」。献立は白米、さば缶とほうれん草とごぼうのみそ汁、チキンのチーズ焼き、ブロッコリーのヨーグルトソースがけ、キムチ納豆。
【ランキングのもとになった点数の算出方法について】
以下、21人の「食と健康のプロ」に「朝・昼・晩それぞれの時間帯に食べると体にいい食品」を挙げてもらい、1位を3点、2位を2点、3位を1点として集計。3点以上を獲得した食品を掲載した。
磯村優貴恵さん(管理栄養士)、小倉朋子さん(トータルフードプロデューサー)、片村優美さん(管理栄養士)、金丸絵里加さん(管理栄養士)、古賀良彦さん(精神科医)、工藤孝文さん(医師/工藤内科副院長)、佐々木欧さん(医師/秋葉原駅クリニック所属)、左藤桂子さん(内科医)、済陽高穂さん(医師/西台クリニック院長)、菅原道仁さん(脳神経外科医)、関由佳さん(内科医/メディカルフード研究家)、関口由紀さん(医師)、伊達友美さん(管理栄養士/ダイエットカウンセラー)、田中優子さん(医師/田中病院院長)、谷本哲也さん(内科医)、牧田善二さん(医師/AGEクリニック院長)、望月理恵子さん(管理栄養士/健康検定協会)、中沢るみさん(管理栄養士)、福田千晶さん(医学博士)、堀知佐子さん(管理栄養士)、渡辺信幸さん(医師/こくらクリニック院長)
撮影/矢口和也
※女性セブン2020年7月30日・8月6日号
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