
「筋トレをする人には欠かせない食材になったブロッコリー、ダイエットフードとして“カリフラワーライス”がポピュラーになったカリフラワー。どちらもさまざまな栄養を含んでいます」と話してくれた野菜ソムリエプロの福島玲子さん。色は違うけれど、見た目はなんとなく似ているこの2つの野菜。プロならではの目線で、含まれる栄養素の違いやおすすめレシピについて教えてくれました。
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野菜の中ではトップレベルの栄養素
ブロッコリーもカリフラワーも健康的な野菜として注目を集めるだけあって、さまざまな栄養が詰まっています。
ブロッコリーはたんぱく質&ビタミンCがたっぷり
野菜の中でも、糖質が少なく、たんぱく質を多く含むブロッコリー。ブロッコリーのたんぱく質は100gあたり5.4g(文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より。以下同)で、食卓でおなじみの玉ねぎ(100gあたりたんぱく質量1g)やキャベツ(100gあたりたんぱく質量1.3g)の4~5倍の量になります。

さらに、ビタミンCはレモンが生100gあたり100mgなのに対し、ブロッコリーは生100gあたり140mgとレモンよりもブロッコリーのほうが多く含まれています。ビタミンCは疲労回復や風邪予防、アンチエイジングに効果が期待できる、健康のために欠かせない栄養素です。
そのほか、β-カロテン、カリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB群、葉酸、ビタミンK、ビタミンE、そして食物繊維もたっぷり。機能性成分のスルフォラファンは、がんの抑制効果が期待されている成分です。
食生活が偏ったときは、まずブロッコリーを取り入れてみるといいかもしれません。
カリフラワーがダイエットにおすすめのワケ
カリフラワーのビタミンCは生100gあたり81mgと、こちらもビタミンCを多く含む野菜といえます。ほかにも、むくみ解消に効果のあるカリウムや腸内環境の改善に役立つ食物繊維が豊富です。

ダイエット食材として知られる理由は、全体の約90%が水分で糖質・脂質量少なめの野菜で、粒状にカットしても噛みごたえがあるので満足感を得られるためです。100gあたり28kcalと低カロリーなので、ダイエット中のお米やマッシュポテトの代用としてぴったりです。
栄養をできるだけキープする調理法は?
ブロッコリーもカリフラワーも、茹でると栄養が水に流れてしまいます。できるだけ栄養をキープするためには、蒸し焼きなどの無水調理や電子レンジ調理がおすすめです。

電子レンジ調理は茹でるよりも手軽です。一房であれば小分けにしてから大さじ1~2程度の水を回しかけて、ラップをしてから電子レンジ(600w)で3~4分加熱すればOKです。栄養成分の流出も少ないのでおすすめの調理法です。まとめて加熱して冷蔵や冷凍で保存してもいいでしょう。
ソムリエおすすめの栄養たっぷりレシピ
ブロッコリーとカリフラワーの豊富な栄養を余さずいただく調理のポイントがあります。捨てがちな茎にも栄養が詰まっているので、くまなく使いましょう。
ブロッコリーはごま油炒めでβ-カロテンの吸収アップ
緑黄色野菜のブロッコリーはごま油との相性が抜群。油で炒めることでβ-カロテンの吸収がよくなります。

小房にわけて、茹でるか電子レンジで加熱してからフライパンに移してごま油で炒め、塩こしょうで味を調えたら完成です。ベーコンなどを加えてもおいしいですよ。
カリフラワーは寒い季節にぴったりのポタージュもおすすめ
カリフラワーの意外な調理法としてはポタージュがあります。温かいスープはこれから寒くなる季節にぴったりです。

カリフラワー1株(200~300g)とたまねぎ1個をバター(20g)で炒めて、玉ねぎがしんなりしてきたら水(400ml)とコンソメ(小さじ2)を加え、やわらかくなるまで煮込みましょう。やわらかくなったらミキサーにかけて鍋に戻し牛乳(200ml)を加えて塩で味を調えたらできあがり。牛乳を豆乳に変えてもOK。生クリームを加えると味がまろやかになりますよ。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ