ライフ

66歳オバ記者、日々感じる“老い”「寒暖差に体がついていかない」「髪全体がしぼむ」

オバ記者
こんなはずじゃ…。老いを痛切に感じるようになったオバ記者
写真8枚

ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(66歳)。昨年、介護をしていた母の死、自身の大病などを経験。そして最近は心臓にも不安を抱えるようになった。そんなオバ記者が、年を重ねて日々感じるのが“老い”だ。

* * *

原チャであてもなく7時間半“疾走”

66歳。私は年齢を聞かれるとすかさず言うことにしているけど、その年齢をどれだけ自覚しているかというと、これがねぇ。どうにもうまくいかないんだわ。

こんなことを言うのは「私、最近明らかに老けたんだな」と、思い当たることがいくつかあるからなの。というのも、今週の疲れ方といったらハンパじゃないんだわ。議員会館でのアルバイトが3日入ったんだけど、木曜日になったら口もきけない。家に帰ったらベッドで一反木綿よ。

だるそうにしている女性
原チャ旅の次の週は疲れすぎて口もきけなかった(Ph/photoAC)
写真8枚

なんでこんなに疲れているのか。それが判明したのが金曜日になってからなの。実は私、先週、毎週行っているヨガ教室の帰り、あんまり気分がいいんで、ふとこのまま家に帰らず、原チャでどこかに行こうかな~と思い立ったのか運の尽き。午前11時半に出発して、すいすいと中山道をひた走って、2時間後には埼玉県与野市に到着したんだわ。

オバ記者
原チャでフラッとのつもりが7時間半もの長旅に
写真8枚

で、そのままUターンして帰ればいいものを、あっちに行き、こっちに迷い込んで、風に吹かれ、雨に打たれて家にたどり着いたのは夜7時過ぎ。すぐにお風呂に入って冷え切った体を温めたけれど、しばらく体の芯が震えて止まらない。まったくバカを絵にかいたようなことをしたわけよ。でも、私がショックだったのは、そのことと自分の体の異常な疲れ方を結びつけて考えられなかったことなの。

今思えば、7時間半も体に負荷をかけたのに、寝たら忘れたんだよね。これを老化といわずして何というよ。

髪がふんわりするのはドライヤーをした直後だけ

だけど自分の老化をまったく自覚しないわけではないの。そのひとつが髪の毛。去年の秋、子宮と卵巣を全摘出した後、しばらくしたら髪にこしがなくなり、一本一本が細くなったような気がしてきたの。シャンプーを変えたり、ヘアマニキュアの回数を増やしたりしているけれど、髪がふわりとするのはドライヤーをした直後だけで、あとは時間とともに、髪全体がしぼんでいく。

オバ記者
6時間もの手術を受けたオバ記者
写真8枚

私の場合、それで原チャに乗ってヘルメットをかぶるから、もう目も当てられないわよ。苦肉の策で、ヘルメットの下で髪のてっぺんをゴムで縛っているの。前はヘルメットを取るときにゴムをはずしたらふわりと盛り上がったのに、まったく効き目なし。

TODOリスト
決めごとは7割できればいい方になってしまった(Ph/photoAC)
写真8枚

それから、今日はこれをしようと決めたことが実行できない。これとこれをやろうとしても7割、いや、悪くすると半分が片付いたところで「まあ、いいか」とあきらめちゃう。1日伸ばしができる家事となると、それはもう、大変なことになっているわよ。

穏やかに年をとるって難しい

あと、このところの寒暖差に体がついていかない。階段が怖い。足が遅くなった。ちょっとした速足でも心臓がバクバクする。言い出したらキリがないからやめるけど、でも、思えばこれって、初めてのことじゃないんだよね。50の坂を上るときもそう。やたらひざが痛くて、足が上がらなくなったことがあったの。そればかりか健康診断を受けたら不整脈があるという。乳がんの疑いでしばらく病院通いしたのもこの頃だ。そのくせ気分は40代かヘタしたら30代後半くらいでいるから、徹夜で仕事をしたりしてさらに体調を悪化させたっけ。

オバ記者
若い時と同じ感覚で仕事をしてしまう
写真8枚

そうなんだよね。50歳になったからといって50歳の気持ちになれるわけではないし、いま66歳になっても、実年齢をすっかり受け入れてそれらしく振る舞えるものでもない。なんか、どっか違和感があるんだよ。

そんな話を先日、同い年の男友だちに話したら、「えへへ。この中のオレは48歳」とスマートウォッチを突き出してきた。なんと、ランニングするときの心拍数を48歳に設定してあるんだって。年齢のことなんかまったく気にしていませんという風の彼が! 「それで1日おきに走っていたら、膝やっちゃって」だって。それで週に2度は整体に通っているとサラッと言うけれど、いやいや笑いごとじゃないと思うよ。イケメンだった昔の面影はどこにもなくて、全身に砂をかぶっている感じなんだわ。

オバ記者
70歳になっても気分は40代?
写真8枚

「ほんとうは38歳の心拍数に設定したいんだけど、そこは大人の判断で48歳」って言う彼に「無理しないでね」と言った私。その気持ち、わかるもの。

みんなそれぞれに老いに抗っていて、実年齢から目を反らそうとする。もう、穏やかに年をとるってなんでこんなに難しいのよ。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
写真8枚

1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

【348】66歳オバ記者、長年悩まされた「胃潰瘍」の激痛 今振り返って思う「痛みは悪いことばかりじゃない」

【347】老後は「働いて生活費を稼ぐ」一択 それでも仕事よりも優先する2つのこととは?

→オバ記者の過去の連載はコチラ

関連キーワード