ペット・動物

犬や猫が夜間に体調を崩したときはどうする? 普段からできる準備などを獣医師が解説

お腹が膨らんだとき、呼吸が荒いときも夜間救急へ

他にも、緊急性の高い症状があります。1つは、お腹が急に膨らんできた場合です。

「大型犬でお腹が膨らんできた場合は胃拡張・胃捻転が考えられます。胃がねじれて胃の中にガスがたまってしまいます。治療が遅れると命にかかわる病気ですので、一も二もなく病院へ行きましょう。

猫で腹部膨満だと、異物で消化管が閉塞しているケースや、膀胱炎の可能性があります。抱き上げたり、お腹に触れたりしたときに痛がったりするようなら急性膵炎の可能性がある。やはり病院受診を急ぎましょう」

普段と違った呼吸をしていたら要注意

呼吸状態が悪いときも、動物病院へ連れて行くべきです。

犬
呼吸状態が悪いときも、動物病院へ連れて行くべき(Ph/イメージマート)
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「例えば、運動後に犬の呼吸が速いのは問題ないですが、普段と違った呼吸をしていたら要注意です。浅くて速い呼吸(努力性呼吸)を繰り返すときや、舌の色が白っぽくなったり、紫がかったりして(チアノーゼ)、いつもと違う色になっているときは病院へ。白は貧血のサイン。紫は酸素不足のサインです。猫は基本的に鼻呼吸ですので、口を開けて呼吸をするようなら、肺や心臓に何らかの異常が起こっている恐れがあります」

事故も甘くみるべきではない

事故も甘くみるべきではありません。夜間の散歩中などに交通事故に遭ったときはもちろん、家の中でのちょっとした事故でも動物病院を受診したほうがいいケースがあります。

「抱っこしていて落としてしまった場合、飼い主さんは足を心配しがちだと思いますが、腹部を打って内臓を損傷することもあります。その場合、一晩経つと、状態がかなり悪くなることも考えられるので、早急に病院へ連れて行ってあげてください。

ドアに足を挟んでしまったりした場合、そんなに痛そうに見えなくても、特に小型犬で若齢だったりすると、骨がまだ弱くて実はダメージが大きい場合があります。朝を待って念のために検査しておきたいですね」

◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん

山本
獣医師・山本昌彦さん
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獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/

取材・文/赤坂麻実

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