健康・医療

進化する「更年期のフェムテック」医療で心と体の悩みは解決できる「性欲低下」も

日本人女性がGSMに気付きづらい理由

GSMは、特に日本人女性は重症化してから医療機関を訪れる人が多いのだそうです。

性交渉をしていないと気づきにくいGSM

GSMは人種に関係なく女性に発症する疾患ですが、海外と比べて日本人が気づくのが遅いという理由について、関口さんはこんなケースを教えてくれました。

「なぜかというと、GSMは性交渉をしたときの不調や不快感によって気づくことが多いからです。65歳以上の日本人女性で性交渉がある人は15%で、同じ年齢のスペイン人女性の割合は85%だという研究結果があります。それだけ日本人のほうが自覚しづらい状況にあるといえます」

ベッドからはみ出る2人の足裏
65歳以上で性交渉がある人の割合は、スペイン人女性が85%なのに対して、日本人女性は15%ほどだという(Ph/photo AC)
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タブー視をやめてフェムゾーンは自身でチェックを

性交渉をしなくても、自分で外陰部を触れたり、見たりしていれば異変に気づくことができますが、日本には、自分で陰部を触ったり見たりすることに抵抗を感じる女性がいます。「日本の女性はもう少し、自分のフェムゾーン(腟と外陰)の状態に目を向けるべきです」と関口さん。

「日本の女性の一部には、自分の夫と産婦人科医以外は触るものではないという刷り込みを受けている人がいて、タブー視されているんですよね。でもフェムゾーンは自分の体にある自分の“持ち物”なのですから、直接触って状態を知っておくべきなんです」

性的意欲は閉経後もあっていい

性交渉について、年齢を重ねたらなくなるもの、閉経後も意欲があるのはおかしいかも…と思うのも、日本の歴史が作ってきた刷り込みだと関口さんは話します。

白衣に紫のカーディガンを羽織った関口由紀さん
日本の歴史が作ってきた刷り込みが女性に与えている影響について語る関口さん
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