料理・レシピ

野菜ソムリエプロが教えるオクラの選び方「大きいものより小さいものを」その理由

ザルにのったオクラ
夏が旬のオクラを買うときに見るべきポイントは?(Ph/photoAC)
写真6枚

夏の時期に旬を迎えるオクラは、さっぱりとした味と食感がおいしい野菜です。「ネバネバ成分が健康によいオクラは、茹でていただくだけでなく、そうめんなど暑い季節にぴったりな料理に添えてもおいしいです」と野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。福島さんから、旬のオクラの中でも新鮮でおいしいものを選ぶ目利きの方法と、よりよい保存の仕方を教えてもらいました。

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鮮度が命のオクラの目利きポイント

オクラは収穫してから時間が経つほど水分が抜けてしまうので、鮮度が命の野菜です。新鮮でおいしいものの選び方をご紹介します。

鮮度のよいオクラは、うぶ毛が細かく、ハリのある傾向にあります。びっしりとうぶ毛が生えているか確認しましょう。全体の色味とガクは、緑色が濃いものには若くてやわらかいものが多いです。切り口は新鮮なものが◎です。

オクラ
うぶ毛が細かく、ハリがあるものを選んで(Ph/photoAC)
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8〜10cmくらいのものがベスト

大きさも実は重要で、品種によりますが、8〜10cmくらいのものがよいとされています。大きくなっているものはお得に感じがちですが、固くて筋っぽく、歯ざわりが悪くなるので避けましょう。

袋で売られている場合も、小さめのものを選ぶのがベストです。大きくても柔らかい丸オクラの場合は、15〜16cm程度のものがおすすめです。それ以上の大きさのものは、味の面ではあまりおすすめできません。

ザルにのった丸オクラ
丸オクラは大きくてもやわらかい(Ph/photoAC)
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変色に注意!オクラのNGチェックポイント

NGポイントは、ヘタの周りが黒ずんでいるものです。収穫から時間が経ち、新鮮さが失われています。さらに、大きさだけでなく白っぽく角がしっかりとしすぎているものも、育ちすぎて固くなっている傾向にあるので避けましょう。

表面にぬめり気があったり、水分が抜けてふにゃっとしていたりする場合は傷んでいる可能性があります。

寒さが大敵のオクラの正しい保存

南国が原産のオクラの弱点は、低温と乾燥です。5℃以下になると低温障害を起こすので、気をつけてくださいね。

冷蔵保存は野菜室へ!冷凍するなら固めに茹でて

オクラを冷蔵保存するときは、乾燥を避けるためにポリ袋に包んでから野菜室に入れましょう。低温障害を起こすので、冷蔵庫に入れるのはNGです。

冷凍したカットオクラ
オクラは冷凍保存も可能!(Ph/photoAC)
写真6枚

一度に使い切れないときは、ラップに包んで小分けにしてから冷凍保存してください。茹でたオクラを保存するときも冷凍がおすすめ。お好みの大きさにカットしてから、ラップに包んだものをタッパーや冷凍用保存袋に入れ、1か月程度で使い切りましょう。

ちなみに、完全に茹でてから冷凍すると、解凍したときにやわらかくなりすぎることも。できれば30秒ほど熱湯に入れてからすぐに冷水で冷まし、水気を拭き取ってから冷凍するといいですよ。

冷凍するならピューレ状にしてもよいです。茹でてから固い部分と中の種を取り除いて叩き、冷凍用保存袋などに入れて冷凍すればスープやソースに活用できます。

塩もみするだけで口当たりが段違いによくなる

オクラを調理するときは、塩もみをするのがおすすめです。うぶ毛がとれて食感がよくなり、さらに変色を抑えることができます。塩もみは、オクラに塩を振ってから軽くもみ、こするようにしてうぶ毛を落としてから、さっと水で洗うだけです。

オクラの塩もみ
オクラは調理前に塩もみするのがおすすめ(Ph/photoAC)
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洗ったあとは、よく水気を拭き取ってから保存や調理をしましょう。ひと手間で口当たりが段違いですので、試してみてください。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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