エンタメ・韓流

《“ふてほど”で再注目》おニャン子クラブの「不適切ではない」名曲の数々 エモさ、拙さ、表現力…目力…わずか2年半の活動で見せた「バブル期アイドル」の存在感

『蒼いメモリーズ』は内海和子(会員番号13番)のソロビュー曲(1986年発売)
写真8枚

女優並みの表現力を発揮していた内海和子

おニャン子からはソロやユニットの楽曲も多数生まれた。当時から、おニャン子を好きではなかった人の間でも評判だったのが河合その子さん。『落葉のクレッシェンド』(1985年)、『青いスタスィオン』(1986年)は、私はなぜかスルーしてしまっていたが、今聴けばどちらも風景が見える名曲! 彼女の表現力、歌唱力も、ちょっとアイドル離れしているというか、モードな迫力がある。売れるには理由があったのだと知った。

ソロでもう一人、名曲率が高いのが渡辺美奈代さん。『PINKのCHAO』(1987年)の浮かれた世界観は清々しい! 振り切った「可愛い」だらけのハイテンションが嬉しくなる。

『瞳に約束』(1986年)、『TOO ADULT』(1987年)も、ロリータの極みのような彼女の魅力を活かした名曲だ。しかしなんといっても『アマリリス』(同)。究極のアイドルフレイバーに加え、歌い手としての実力も感じる名バラード。秋元さんは彼女を「一点の曇りもない正統派アイドル」と高く評価したというが、なるほどである。

そして、特筆したいのが内海和子さんである。『蒼いメモリーズ』(1986年)のみずみずしさは、ハンパではない。アニメ『タッチ』の挿入歌だったらしいが、全然覚えていないのが悔やまれる。数年前初めて聴いて、あまりにもいい声でビックリした。『20歳』(1987年)、『もう君の名前を呼べない』(1987年)は、女優並みの表現力を発揮している。

ダメ元で調べてみたら、2003年リリースのベストアルバム『MY これ!クション 内海和子・BEST』を発見! ありがとうサブスク。素晴らしい。よどみない、アイドルの極みのような声が本当に心地いい。ライトなアルバムタイトルとは結構ギャップを感じるほどの名盤である。

関連キーワード