健康・医療

更年期になるとなぜ太る?医師が解説する解消のカギは「セルフモニタリング」

更年期太りの解消に役立つ食材

更年期太りの解消には、夏が旬のモロヘイヤやオクラや枝豆などを食事に取り入れてみましょう。これらの野菜に豊富に含まれている食物繊維は、血糖値の上昇を抑え、肥満の原因となる血液中のコレステロール濃度を下げる効果が期待できます。

モロヘイヤ
食物繊維豊富なモロヘイヤ
写真8枚

モロヘイヤの食物繊維は水溶性のため、長時間ゆでると煮汁に流れ出てしまいます。味噌汁やスープに加えて汁ごと食べる工夫をすると、モロヘイヤの食物繊維を余すことなく摂取できるでしょう。また、アクが強い野菜なので、サラダや和え物にする際には20〜30秒ほど下茹でしたり、レンジで加熱して冷水にさらしたりするのがおすすめです。

モロヘイヤのほかには、オクラや枝豆なども食物繊維が豊富な旬の食材です。これらの旬の食材を、積極的に取り入れてみましょう。

更年期太りの解消には漢方薬も役立つ

運動や食事管理と合わせて、更年期太りに効果が期待できる漢方薬を取り入れるのもひとつの方法です。

更年期太りには、「自律神経を整えてストレスによる過食を防ぐ」「脂肪の燃焼を促す」などの効果が期待できる漢方薬を選び、太りにくく痩せやすい体質への改善を目指します。

小皿にのった生薬
更年期太りの解消に役立つ漢方薬を紹介
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おすすめの漢方薬

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

疲れやすく、肩がこり、イライラや不安などの精神症状がある人に用いられる漢方薬です。体を巡るエネルギーの流れを整えることで女性ホルモンの乱れによる不調や自律神経の乱れに働きかけ、イライラによる過食の解消に役立ちます。ホットフラッシュなどののぼせや、冷えのぼせなどの更年期症状にも使われます。

→加味逍遙散について詳しく知る

・大柴胡湯(だいさいことう)

便秘ぎみで、ストレスによって過食してしまう人に用いられる漢方薬です。体の余分な熱を取り除いて肝臓の働きをよくし、脂質代謝を上げるとともに、エネルギーの流れを整えて自律神経のバランスを整えます。

→大柴胡湯について詳しく知る

漢方薬を始める際の注意点

漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。

ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、いい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

◆教えてくれたのは:医師・木村 眞樹子さん

白衣を着た女性
医師の木村眞樹子さん
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きむら・まきこ。医師。

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。

自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でもサポートを行う。

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