
写真4枚
厳しい父をとりなすのも母
厳しい父親と子供たちとの間に立って、うまくとりなしてくれたのもひで子さんだったという。
「私の父は大工だったのですが、頑固な性格で、こうと決めたら絶対に譲らない人でした。たとえば、わが家では“外泊をしてはいけない”という父が決めたルールがあったのですが、小学校のときに引っ越した親友からお泊りの誘いを受けたことがありました。そのときはどうしても行きたかった……とはいえ、どうせ許されないだろうと諦めていたら、母が父を上手に説得し、行かせてくれたんです。
こんなこともありました。“キリスト教を信仰していないから、わが家にサンタクロースからのプレゼントが届くことはない”と言う父に対し、せめて料理だけでも用意してあげたいと、母がローストチキンの代わりにからあげを作り、クリスマスケーキを買ってくれました」
自分のことは後回しにして、夫を立てて子供を慈しむ――ひで子さんは、そんな“昭和の母”だったが、明るく社交的で、誰とでも仲よくなれる性格から、「おニャン子クラブ」のメンバーとも親しくなっていったという。