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【グレープ「春の葡萄祭 2025」】ギターとハーモニーの重なりが心に沁みる…さだまさし&吉田政美が半世紀の熟成で得た「あの頃よりしっくりくる」嬉しさに、会場はふわりと包まれた

満席のフェスティバルホール。グレープのコンサートが始まった(写真提供:株式会社まさし)
写真6枚

違うからこそ噛み合う凸凹コンビ

舞台の照明がグレープの紫に染まる。大阪らしく、タイガースの法被を着て登場した二人。ときどき仕草がシンクロするのが面白い。こういうところに、半世紀越えの交流が出るのだろう。

1曲目が歌い終わって、すぐにしゃべらないと倒れるくらいの勢いでお話するさださん。それはソロコンと同じ流れなのだが、今回は、吉田政美さんという、穏やかな低音イケボを持つ素晴らしい相方がいる。コテコテの漫才文化にまみれた大阪人をも爆笑させるノリとツッコミぶりを見せてくれた。

吉田さんの相槌を求め「でね、それでね」「まちゃみはどうなの」と話し続けるさださんは、いつも以上にやんちゃ感が高まっている。大好きな友だちが横にいると、人はそうなるのかもしれない。

それにしても、二人の凸凹ぶりは本当に興味深い。ライブ前は眠れない、気づけば白々と夜が明けているという吉田さん。対して、7時間眠らないと声が出ず、なんなら13時間寝れる、睡眠は質より量と豪語するさださん。

さださんのこの日の服装は、グリーンと赤のストライプが入ったシャツ。吉田さんは、ブルーとさんご色のカラフルなシャツ。最近覚えたばかりの浅知恵で自信はないが、多分、さださんはイエベ、吉田さんはブルベだ。

話し方も、「段取り」という3文字などワシの辞書にあらへんと言わんばかりにガンガン話すさださん。そこに、のんびりなテンポで「この調子でいって時間大丈夫なの?」と現実を直視させる吉田さん。

しかしこれらの凸と凹がガッツリ噛み合うトークには「高齢者あるある」も多く、客席からも「ああ〜」と共感のどよめきが何度も響いた。ちなみに、「グレープをリアルタイムで認識していた人」と、さださんが客席に問いかけると、ドッと大きな拍手が鳴り響いた。ということは、60歳以上のお客様がたくさんいらっしゃる!

「日本は元気になりましたね」と、さださんも満面の笑み!

3月31日から、レギュラーラジオとしては50年ぶりの『グレープのもう魔酔わない』(TOKAI RADIOなど全国13局ネット)が始まっているそうで、いろいろ楽しく年を重ねるヒントがありそうだ。こりゃ聞かねばなるまい!

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