【オーケンの店】舞台監督が明かす“隠れディズニー”と見えない細部へのこだわり

エルサを追って雪山に向かうアナが途中、暖を取るために寄った「オーケンの店」はサウナが併設された山小屋で、店内には食料品から衣料品、雑貨類までさまざまなものが揃う。ここには遊び心あふれる、細かすぎるこだわりが。舞台監督の野田彩未さんが解説してくれた。

「エルサの魔法によって突然冬になってしまったアレンデール。そこで、夏物一掃のセールになっているんです。『水着が半額』というセリフ通り、ボーダーの水着には半額に値下げした値札がついています。
そのほか、戸棚などには複数のディズニーキャラクターが潜んでいますよ」(野田さん・以下同)

よく目を凝らすと、『ライオンキング』のシンバのマスク、ミッキーマウス&ミニーマウス、スティッチ、アイアンマン、『アラジン』の魔法のランプ、『メリー・ポピンズ』のオウムの持ち手の傘を発見!




「絶対ここにこれを配置する、という世界共通の決まりがあるわけではなくて、ディズニーのちょっとした遊び心ですね。小道具の雑貨は、スタッフがアンティークショップで買い集めたものも使ったりしています」
そんなこだわりもありつつ、『アナ雪』の世界観を見事に作り上げたと思うと、感動もひとしおだ。当然、メンテナンスも細部まで丁寧に行われている。
「スヴェンの好物・にんじんの入った木箱は、クリストフが文句を言いながら乱雑に扱うシーンのため、こまめにメンテナンスしていますし、カウンターにもクリストフがのぼるので、補強は欠かせません。
綿でできた雪は、白さをキープするため、黄色くなってきたら貼り替えるようにしています」

また、舞台の左右と上を囲む、プロセニアムアーチと呼ばれる飾りには、北欧の象形文字を模した彫刻が施されている。
「舞台の下手には『リトルマーメイド』の人魚やセバスチャンのような絵柄が。ほかにも『アラジン』の空飛ぶ魔法の絨毯やランプなど、10作品超のモチーフが描かれているんですよ」


ディズニー作品らしい遊び心が随所に散りばめられていて、会場に足を運ぶたびに新しい発見があるのも『アナと雪の女王』の楽しみの1つ。観劇の際には、双眼鏡を片手に、舞台の隅々を探してみるべし!