こうしたお米のダイエット効果は、生産者側も必死にアピールしている。全国農業協同組合連合会(JA全農)は2016年から、お米のダイエット効果を最大限に活用した『おにぎりダイエット』を提唱している。JA全農の米穀部担当者が説明する。
「おにぎりダイエットの最大のメリットは“計算のしやすさ”です。1合のお米はおにぎり3つ分。おにぎり1つは約180キロカロリー。毎食のご飯をおにぎりにすることでカロリー計算がぐっとラクになるのです」
やり方は簡単で、まず「基礎代謝基準値×生活活動指数×体重」で、自身の1日の消費カロリーを計算する。この数字を基に、1日で食べるおにぎりの個数を決めるのだ(詳細は下の画像を参照)。
おにぎりによるカロリー管理に日々の運動を加えると、極めて効率的にやせることができるという。行うべき運動は、ウオーキングやスクワット(15~20回を3セット)、腕立て伏せ(10~15回を3セット)など、自宅でできるものばかり。
JA全農は、大手スポーツクラブのルネサンスと共同で、537人の男女を対象にして、『おにぎりダイエット』の効果を検証したところ、驚きの結果が判明した。
「7割以上のかたが、1か月でお腹まわりを1センチ以上減らし、うち3割は3センチ以上減らしました。体脂肪量も、全体の4割のかたが1キロ以上落としています。
炭水化物は燃焼しやすく優先的に運動エネルギーになるので、ダイエットの強い味方になるということが改めてわかりました」(米穀部担当者)
糖質制限ダイエットのデメリットとして、「栄養の偏り」が指摘されてきたが、おにぎりダイエットはその点も安心だという。
「おにぎりは中に野菜や魚、肉などいろいろな具材を詰めることができます。もともと、お米はおかずとセットで食べるものでしょう。糖質やたんぱく質などさまざまな栄養素をバランスよく摂取しやすい食材なので、体に無理をさせずにダイエットを成功させることが可能なのです」(同前)
実際、『おにぎりダイエット』を3か月間実践した都内在住の主婦Aさん(51才)はこう語る。
「私の場合はスタートからわずか1か月で2キロ、3か月で4キロのダイエットに成功しました。
糖質制限と違って、“主食をがまんする”というストレスがない。大好きなご飯を毎日食べられる上、難しい調理もいらないし、魚やお肉、海藻類など中に詰める具材を考える時間も楽しい。続けることが苦ではないんです。
結果的にバランスよく栄養も摂れるし、最高のダイエットだと思いました」
現在、東京・大手町のJAビルでは、白米、玄米、五穀米の3種類から2種類を選ぶことのできるお弁当店「ミノーレ」が大盛況となっている。平日昼時に訪れると、サラリーマンやOLの行列が絶えず、皆「お米選び」を楽しんでいる。
「おかげさまで1日に500個以上売れる日々が続いています。炊き立てのお米がお客様に大好評です」(スタッフ)
古来、日本人を育んできたお米の力は、まぎれもなく私たちの味方である。
※女性セブン2018年4月12日号
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