“寝苦しい季節”といえば夏をイメージしがちだが、実は冬も日照時間や気温、活動量の減少などの要因で、寝つけない、熟眠感がない、朝起きてもスッキリしない…と、睡眠の質が低下する季節。食事制限でダイエットに励む女性は多いが、肥満の原因は、意外にも睡眠不足かもしれない。
睡眠不足がダイエットの妨げになる?
中部大学生命健康科学研究所特任教授の宮崎総一郎先生が指摘する。
「睡眠不足だと太る、というのは間違いのない事実。体は睡眠不足を察知すると“ストレスモード”に入る。睡眠不足では、食欲を抑制するホルモンが効かなくなる一方で、空腹感を高めるホルモンが増加します。結果として、食べすぎになってしまいます」
さらに、睡眠不足によって「重要なホルモン」の分泌が激減するという。
「脳の下垂体から分泌される、成長ホルモンは睡眠時間が短いと分泌が減ることがわかっています。成長ホルモンは、思考の活性化や脳の発育、全身の活性化を促進する働きなどを持っていますので、目覚めたときも疲れがとれないように感じたり、スッキリしないという感覚があるかもしれません」(宮崎先生)
受精機能にまで影響が及ぶ
さらに恐ろしいのは、不妊にまでつながることだ。
「日本の英ウィメンズクリニックが2017年、米国生殖医学会で報告した内容によれば、女性の『睡眠の質』が『卵子の受精機能』に関係していることがわかっています。睡眠の質が悪くなることで、受精率が有意に低下し、受精してもうまく育ちにくい傾向があるようです」(東京医科大学精神医学分野の志村哲祥先生)
ちなみに、重い睡眠障害を持つ男性は、そうでない男性に比べ精子の濃度が29%低く、奇形の割合が高かったともいうから、妊活中の人は自分だけでなく、夫の寝不足にも注意しなければならないようだ。
※女性セブン2018年12月20日号
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