『生まれてはじめて』ではホッとして『ありのままで』では興奮状態に
──歌についてはいかがですか? いろいろな内容の歌が続き、とくに三代川さんはずっと歌いっぱなしという印象です。ダンスしながらも歌われていますよね?
三代川:私がいちばん緊張するナンバーは、エルサとアナで歌う『生まれてはじめて』。誰もが知るビッグナンバーなので、ここを無事歌い終えるとホッとします(笑い)。
アナは確かに出番が多いんですが、その分、物語が一緒に進んでいくので気持ちが作りやすいんですよ。誰かと歌うことも多いので、それに助けられたりもしています。むしろひとりで気持ちを作らないといけないエルサの方が大変そうだなと思います。

谷原:たしかにそうかもしれない(苦笑)。急に激しいナンバーを歌うので体がびっくりしている感覚もあります。それにエルサはずっと一人。最後まで一人きりで歌い切らないといけないですからね。
──そんなエルサが『ありのままで』を歌い上げる一幕終わりは、客席からものすごい拍手がわき上がります。演じる側はどんな気持ちなんでしょう?
谷原:『ありのままで』のときは興奮状態に近くて……周りの音が入ってきづらくなるんです。しかも強い照明を浴びていたのが一気に暗転するので視界が真っ暗で、「セットにぶつからないように舞台袖に戻らねば!」ということで頭がいっぱい(苦笑)。最近はスタッフが両手を持って誘導してくれます。
──では、おふたりの好きなシーンは?
谷原:雪だるまのオラフが《愛は、自分よりも誰かを大切に思うこと。》とはっきり伝えてくれるところ。幼少期のアナとエルサが作ったオラフが愛を知っているということは、いま愛がわからないと言っていても、もともとお互いに愛があったわけです。それをオラフが教えてくれるというのが良いし、シンプルに素敵な言葉だし、好きな場面ですね。
三代川:私もオラフが愛を教えてくれるシーンは大好き。クリストフがアナをハンスのもとに送り届けながら歌うナンバー『クリストフ・ララバイ』も切なくてお気に入りです。