もち麦研究の第一人者である大妻女子大学教授の青江誠一郎さん、小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子さんが、Q&A形式で「もち麦」について回答!
Q1 麦飯に入っている「押し麦」は「もち麦」と同じもの?
A1 大麦の仲間でも別物。栄養素の量も違う
「米に『うるち米』と『もち米』があるように、大麦にも『うるち種』と『もち種』があります。押し麦はこの『うるち種』で、もち麦は『もち種』。含まれる栄養素の量も違います」(青江さん)
押し麦は、外皮をはいでローラーで平たくつぶされているけれど、もち麦は精麦し、丸い形状なのもこの2つの違い。
Q2 「もち麦」を精麦すると栄養が減るのでは?
A2 変わらずたっぷり!
「米の場合、精白米より玄米の方が栄養価は高くなります。しかしもち麦は、粒の真ん中に栄養が詰まっているので、外皮を削って精麦しても、栄養価が減ることはありません」(青江さん)。
白米はもちろん、玄米よりも食物繊維やたんぱく質、カルシウム、鉄、ミネラルも多いもち麦。米を食べるより、効率よく栄養が摂れるといえる。
Q3 「もち麦」は誰でも食べて大丈夫?
A3 グルテンアレルギーの人は注意が必要
「基本的には子供も年輩者も、誰もが食べられます。ただ、もち麦も麦の仲間なので、小麦グルテンとは異なる種類のグルテンが含まれています」(青江さん)
グルテンとは、小麦や大麦に含まれるたんぱく質の一種で、食物アレルギーの原因のひとつ。
「グルテンアレルギーがある人は、食べる際に医師に相談するなど、注意が必要です」(小林さん)
Q4 なぜ、「もち麦」を食べることで痩せられるの?
A4 “痩せる素”である食物繊維が精白米の約26倍!
もち麦の食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれている。
「不溶性は腸内の水分を含んで便のかさを増し、排便を促進する効果が。一方、水溶性は食後の糖質や脂質の消化や吸収を抑制します。さらに、水溶性食物繊維の一種、β-グルカンには、水に溶けると、糖質や脂質を包み込んで排出する特徴があります」(青江さん)
もち麦の栄養素が痩せる体を作るわけだが、それだけではない。プチプチした食感で、かみごたえがあるのも、ダイエットにひと役を買っている。
「咀嚼回数が増えることにより、脳の満腹中枢が刺激されて食べすぎを防いでくれます。また、胃の中で、β-グルカンが水と混ざって溶けると、粘り気を帯びて膨らむので、満腹感を早く感じられるメリットがあります」(小林さん)
ゆえに、ちょっとの量ですぐ、お腹がいっぱいになるというわけ!
※女性セブン2017年3月23日号
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