【オバ記者連載19】2度目のデートで「ウチに来たら」とお誘いが

当サイトがおくる好評連載『アラ還・オバ記者の悪あがき美容道中』。現在59才、バツイチ独身、自らを「女の崖っぷちから、一歩落ちている」というオバ記者ことライターの野原広子が、美容、ダイエットに奮闘し、女を磨く日々を綴ります。オバ記者が目指すのは、還暦を迎えるその日までに人生の伴侶をゲットすること！

今回は婚活サイトで知り合って会うことになったM君との2度目のデートについて――。

＊　＊　＊

編集部内でもこまめにエクササイズを行うオバ記者 — 編集部内でも空き時間にこまめにエクササイズを行うオバ記者

ここのところ、忘年会と締め切りとが折り重なって、体操教室は3週間お休み。ときどきトレーナーさんが、「どうしてますか～」と電話をくれるけど、酒臭い息で行けるところじゃないでしょ。

せめてもの抵抗で、野菜料理を毎日1品ずつつくって、食べ順を守り、ご飯は絶対にお代わりせず。体重は微妙に上昇しているけど、お酒を二日抜くとスッと戻るよ。1か月断酒して3kg減った友達がいて、「グタグタ言わずに飲まなきゃいいんだって」と、説教されるけど、これが、できそうでできないんだって。

でも、できなさそうでできるのが、だらだら体操。いま、気に入っているのが、写真のようにかかとをぴったりつけて上げるバレリーナ立ち。お腹にグイッと力を入れて、お尻にも入れて、1、2、3、4、5、6、7。これを2～3回やると、じわっと汗が出てくるよ。

M君が「こんな楽しい日を過ごしたことがない」

あ、私に期待されているのは、ダイエットより婚活話でした！

初対面のとき、男女が裸で絡み合っているインドのお寺の壁面の写真を見せたM君ね。正直、この人、大丈夫かな～とは思ったのよ。でも、新宿湘南ラインの中で聞いた他の話がすごく面白かったのよ。

数年前、母親が亡くなって絶望のどん底にいたM君を、親戚のおばさんは、慰めるどころか「もらうと約束していたから」と勝手に箪笥を開けて貴金属や着物を持って行った、とか。あげく、「お母さんから家に住んでもいいと言われていた」と、乗っ取りにかかってきた、とか。

いかにも人の良さそうなM君が、「ひどいですよ」と必死に話せば話すほど、おかしみが増して、まるで浅草で喜劇を見ているよう。それで別れ際、「こんなに楽しい日は過ごしたことがありまにせん。また会ってもらえますか」と言われたら、断れる？　私は無理。続きが聞きたいもの。この好奇心が、これまでいろんな災いを引っ張り出してきたと、わかっちゃいるけどやめられないのは、はい、お酒といっしょですわ。

その日から朝に晩にメールの交換、といいたいところだけど、夜中に帰ってきてメールを送れない日だってあるわけよ。すると、「ぼくなんかと話すより、楽しいことがあるんですよね」と、イジケが入るの。そんなM君がかわいいかって？　う～ん、まだそこまでの感情は湧いてこなかったんだけど、いろんな事情があって住んでいたマンションから急に引っ越すことになったのよ。

「ぼくの家に来たら、家賃いらないのに」

2度目のデートの和食やさんで、M君はそう言うの。

「乗った！」

30代、いや40代の私でも言ったかも。一回しか会っていない男に運命を任せたら、キャーッ、どうなっちゃうわけ？　と、身を乗り出したと思う。でもなぁ、と考える間もなく、「あはは。ありがとう」と笑ってスルーして、「でね、急に次のマンションが決まったんで、当日の手伝いの人がいないの」と、ちょっと語尾を伸ばしたら、「ぼくでよければいいですよ。その日なら、会社休めるし」とあっさり。そしてその夜、わが目を疑うメールが来たの。

「会うと照れくさくて話せないのですが、ぼくにとってとても大事なことなので書きます。ぼくは女性と直接的な行為をするより、いちゃいちゃするほうが好きです。でもそれが原因で、これまでいつも女性に嫌われてきました。変態と言われたりもしました。ヒロコさんはどうですか？」

ジャージーにねじり鉢巻きで、引っ越し準備。段ボール箱と格闘しているときに、そんな寝言に付き合ってられっかい！

「ゆっくり仲良くなっていきましょう。で、当日ですが…」と、私の住所と来方をメールして、引っ越し日を迎えたわけ。

続きはまた次週！